2007年10月7日日曜日

ハーベスト&ツーリスト


9月末、ナパ・ヴァレーに仕事で通った。ハーベストは真っ最中だった。そして多くのツーリストがやってきている。ワインカントリーはディズニーランドの次にツーリストが多いという事実を実感。
朝、約束の時間に間に合うように、十分に時間をとって家を出たはずなのに、遅れそうになってあせった。 
朝に摘んだブドウを積んでゆっくり走る大型トラクターは後ろに(私の車も含めて)たくさんの車を従えて、行列のようにゆっくりと進む。大型トラクターが目的のワイナリーへ行く小道で曲がったので、さあ、これからスピードが出せるかなとほっとしていると、「ノー、ノー、みんなが過ぎるまで待って入ってよ」という私の願いもむなしく、よろよろと車が行列に入り込んでくる。テイスティングを終えたツーリストが次のワイナリーを目指している。この車はワイナリーを探しているし、ワインもそこそこの量を飲んでいるだろうから、それにバケーションだから急いでいない。ゆっくりと辺りの景色を見ながら規制速度以下で悠々と走っている。 
ワインビジネスの景気がいいことは聞いていたけれど、その好調ぶりを目の当たりに見た。ナパ・ヴァレーのカリストーガという温泉が出る小さな町に近い、このヴァレーの北端に2つのリゾートホテルが新設されていた。そしてどのホテルも豪華版の車がびっしりと駐車されている。こんな遠くの何もないところが好評なのだ。カリストーガ・インは部屋がコテージ風でメインの建物から離れていて、気軽に歩いてというのではなくて、いちいち電話を入れてゴルフ場で使われているカートで迎えに来てもらわなければならない。山の中にあって、夜は山猫が徘徊していると地元の人が言っていた。
訪問客で賑わっているワイナリーというと、やっぱり大型ワイナリーだ。スターリング、ベリンジャー、モンダヴィのテイスティングルームは満員。スターリングは丘のてっぺんにあるので、ケーブルで登って行く。これがまた人気らしく長い列が出来ていた。なんだかディズニーランドにやってきた気分。 
ケーブルからの見晴らしはとてもいい。ヴァレーをはさんで向こう側の山の中腹に中世のフランスのお城のような建物が見える。最近、サツイというワイナリーのオーナーが4500万ドルで建てたもので100の部屋があるという。キャッスル?の名前はCastello di Amorosa。
ここで共和党の大統領候補者ジュリアーニ氏(元ニューヨーク市長)の資金募集パーティが開かれたそうだ。レセプションだけだと250ドル、レセプションと写真を一緒に撮ってもらうと1000ドル、ディナーだと2300ドルだそうな。
2007年のハーベストは終わりに向かっている。毎日、車で通る近所のブドウ畑のカベルネもシラーも摘み取られて、ある朝、忽然と消えていた。