2010年12月30日木曜日

クリスマスディナー





クリスマスディナーの食事は毎年、娘のゴッドペアレントであるランス&サンディ夫妻が招いてくれる。年によってはランスとサンディの一人娘であるドーンが二人の娘と夫の4人でシアトルからやってくる。今年はドーンの一家は来ることが出来なかったので、ニューオリンズからやってきたジョンが加わって6人で食事を楽しんだ。
毎年のことだけれど、料理上手のランスが大きな肉塊、プライムリブをオーブンで焼いてくれた。ジョンがヨークシャープディングをバターをたっぷり使って焼いてくれた。
相棒が冷凍のカエルの足と小イカを見つけたといってせっせと料理。それとサンディがクレップラ(餃子みたい)を作ってくれた。前菜だけでお腹がいっぱいになった。それでもお肉とヨークシャープディング、ズッキーニの付け合せ、サラダ、パンプキンムースと食べまくった。
フィンガーレークのソーヴィニヨン・ブランはこの品種独特の香りはなかったけれど酸味がきりっとしていてなかなかの白ワイン。Cobbのピノ・ノワール、Rameyの2007年Annum(カベルネ98%、プティ・ヴェルド2%)が印象に残っている。こっそりと数えてみたら12本ボトルを開けていた。この夜は私が運転担当なので、白けてボトルの数なんかを数えたりしたのだった。
日本を離れて、日本の両親や親友たちと忘年会とかクリスマスパーティを楽しむことができないけれど、その寂しさをカバーしてくれる家族同様の仲間がいて幸せ。

2010年12月28日火曜日

クリスマスイブ




我が家のクリスマスイブはレストランで食事をするのが習慣になっている。今年はサンディエゴからやってきた娘をサンフランシスコ空港で出迎えて、人混みでごった返している市内で買い物。買い物嫌いの相棒はバーに逃げ込んだ。娘と二人で大バーゲンをしているデパートでまだプレゼントを用意していない数人の友人のプレゼントを買った後、レストランへ行った。
今年はSaison というレストランで食事をした。他のレストランを予約しようとしたけれど、満席で予約が取れない。相棒は「不景気っていうのは、どこのこと?」と嘆いていた。
8コースのディナーは「クラシックな料理の美味しい!というのとは違って、知的意識が刺激される、知的なメニュー」と家族二人は表現。
青海苔とかスダチ、鰹節のダシ(とても上手に使っていた)を使った1品とか、サラダに緑茶、ゴマが使われていたりと、日本の食材が使われていて興味深かった。でも日本料理風にさっぱり風味というのではなく、ビーツと骨髄の1品もあって、「なるほど、こういう使い方もあるんだ」と思いながらいただいた。
その日の朝に地元で手に入る新鮮な食材を使って、素材の味を生かした料理を出すのが、このレストランの方針。若いシェフがロビーにいたので「日本で料理の勉強をしたの?」と聞いたら、「ノー、アメリカのあちこちで」と答えた。シェフの名前はJoshua Skenes。サンフランシスコクロニカル紙が2010年に期待されるシェフに選んでいる。
飲んだワインは:
2007年Jura Charles Hours Jurancon Marie Jura( ハーフボトルで $26)
フルボディでミネラル分が印象的。前菜によく合った。
2008年Brundmayer Riesling Zobinge Heiligenstein Kamptat (ハーフボトルで$41)
軽やかでエレガントだった。
1999年Laurel Glen
30分前にオープンしてもらったのだけれど、まだ閉じていた。でもその後15分ほどで、この畑の特色であるかすかな墨汁(スパイス)の香りとシルキーな口当たり、そしてエレガントなコクのあるワインになってくれて食事を引き立ててくれた。
この夜の運転は相棒。そのためにワインは2本に抑えた。
頻繁に来たいとは思わないけれど、1年に1度ほど来て確かめたいレストランというのが家族の評価。

2010年12月18日土曜日

Holiday Season




女友達とサンフランシスコバレー団のくるみ割り人形を見に行った。多くの人がホリデーシーズンにくるみ割り人形を見る。
小雨模様のサンフランシスコだったけれど、市役所の裏に車を駐車して、市役所の中を通過してオペラハウスに向かった。市役所のホールに真っ白のクリスマスツリーが飾られている。凛とした雰囲気に弾かれて思わず階段を上ってそばまで行って見た。ツリーは真っ白の折り紙のツル(千羽鶴)で作られていた。鶴の一つ一つに何か書かれている。「2008年、、、」というのがあったから、亡くなった人の記念なのかもしれない。
オペラハウスはドレスアップした大人たちに混じって、かわいいドレスを着た小さな女の子、背広を着た男の子も結構いた。私も娘が2歳のときから毎年地元のバレー団のくるみ割り人形を見に連れて行ったものだ。2歳のときは午後の部に連れて行ったのだけれど、休憩に入るころにはお昼寝の時間になっていて、指をしゃぶって眠り始めたので、連れて帰ったのを覚えている。懐かしい思い出に心が温まる。
今回のくるみ割り人形は1915年のサンフランシスコが舞台になっていた。舞台装置がとても斬新、それでいてあくまでもクラシックバレー、淡いパステルカラーの色使いがシックだった。雪が降っているシーンは素晴らしかった。雪煙で霞む舞台で踊るダンサーたちは幻想的で息を呑むほどだった。
休憩にはもちろんスパークリングワインを飲んで、ホリデーシーズンに乾杯。

2010年12月5日日曜日

感謝祭




感謝祭が終わって、ホリデーシーズンに突入。家々の電飾が目を楽しませてくれる季節。
寒かったり、真夏のように暑くなったり、まるで心ここにあらずの女性(差別かしら?)の心のような天気。感謝祭は幸運にもとっても良い天気だった。
今年も親友の家で家族同様の13人が集まって会食。ランスが焼いたターキーは、格別に美味しく焼けていた。赤ちゃんのときから参加している娘は成人に、そしてランスの弟の2人の子供は高校生。時がめまぐるしく過ぎていくことを感じながら、今年も健康で美味しいワインと美味しい食事、楽しいひとときを大切な仲間たちと過ごせたことに感謝。
この日に飲んだワインのひとつにローヌの赤ワインがあった。残念なことに少し異臭がした。醸造家である相棒が1セントをグラスに入れたら、臭いが消えた。1セントは銅から作られているので、ワインの臭いを消す作用をしたのだ。衛生上、えーっと思うかもしれないけれど、今までにこういう場面が数回あったけれど、病気になったことはまだない。
ワインに(化学名を忘却)この臭いが生じた際には銅を使うとのこと。
 

2010年11月2日火曜日

サンフランシスコ・ジャイアンツ優勝



悲願の優勝を達成。私が当地に住んで10年後、サンフランシスコのジャイアンツは2002年に優勝に王手をかけて、ほぼ勝利が決まりかけていたのに、監督がピッチャーの選択を誤って、信じられない!という感じで負けて、呆然としたのを記憶している。その後はボンドがいたけれど、ワールドシリーズまでは到達しなかった。そして今年は新人が多く、シーズンの初めは負けが多く、今年もこんなものかと多くの人が思っていた。それがルーキーの捕手、若きエース、ルーキーの投手がきっちりと決めて、最終戦はベテランがホームランで優勝。
相棒は勝っても負けてもゲームに通い続けた。本物のジャイアンツファン。プレーオフ、そしてワールドシリーズには日本の友人がプレゼントしてくれた読売ジャイアンツのユニフォームを着てサンフランシスコ球場で観戦。
最終戦は友人宅で見た(ゲームはテキサスなので)。写真ではしらけた顔をしているけれど、本当はすごく嬉しいのだ。TV観戦中にワインを何本も飲んで出来上がっていたけれど、優勝決定直後はスパークリングワインで乾杯。49ナーズがスーパーボールで優勝したとき以来の、グッドニュース。

2010年11月1日月曜日

ハーベスト・パーティ



どんより曇り空、時々雨の予報だったけれど、ベッドロック(Bedrock)ワイナリーのハーベスト・パーティに招かれた。ベッドロックのオーナー兼醸造家はソノマ・ヴァレーのワイン業界のサラブレッドとして将来を期待されているモーガン・ピーターソン。父親はレーヴンスウッドを立ち上げたジョール・ピーターソン。
モーガンと彼のワイナリーについてはニュースレター43号に書いたけれど、いいワインを造っている。ベッドロックは個性のある優良ぶどう園と契約をして,ブドウ畑名入りのワインを造っている。28歳のモーガンは自分よりもずうっと年上の栽培農家を招いてハーベストパーティを開催。好青年だ。
お客さんの半分は彼の父親ほどの年齢の栽培農家の方々、それに若者が半分。父親と一緒に所有しているブドウ畑の真ん中にテントを張ってのパーティ。月も星もない真っ暗な空の下、畑の真ん中にある細い道を歩いてテントにたどり着くのに一苦労。
いかにもカントリー風のパーティなのだけれど、いいワインがテーブルにたくさん並んでいた。そして食べ物も美味しかった。コペイン(Copain)のシラー、カ-リスレ(Carlisle)の2008年のジンファンデルのマグナム、コート・ド・ローヌ、そしてもちろんベッドロックのワインを楽しんだ。隣に座った女性は最近新しくモーガンが造ったワインのブドウ畑のオーナーで、5年ほど前までは東海岸で編集者をしていたという。ブルーグラスのバンドで踊って(飛び跳ねて)楽しいひとときを過ごした。

2010年10月30日土曜日

2010年ハーベスト終わる



「今年のハーヴェストのベストニュースはハーベストが終わったこと」、本気と冗談半分の会話。23,24日に雨が降るという天気予報のため、摘めるブドウは一気に摘んだ。手の空いてる者は老若男女、ブドウ畑に刈りだされたという。ブドウ畑管理事務所の知人によると、雇える労働者はみんな雇って、1日12時間とか13時間働いた人もいるという。「今年のハーベストは高くついた」とぼやく。雨が降る前にはソノマ・カウンティだけで、まだ15%ほど摘んでいないブドウがあったと推測されている。
カベルネ、シラー、メルローのように果皮が厚い品種は週末の雨に打たれても生き延びた。
相棒がワインを造るローレル・グレンは最後のブドウを今週の火曜日に摘んで、ハーヴェストを終了。今は発酵が終了したワインの搾汁作業に入ったので、手を紫色に染めて帰ってくる。
注:ブドウを摘んでいる写真はアルゼンチンのメンドーサです。

2010年10月22日金曜日

2010年ハーベスト終了間近


2010年のハーヴェストが終わりに近づいた。今日はところによって、雨が降ったり止んだり。週末は降雨の可能性が高い。そのためブドウが熟するのを待っていた畑は、もう待てないから、いっせいに摘み取りをしている。
相棒も含めて、醸造家、栽培家たちはこの20年で一番難しい年だとため息をつく。
気温が思うように上がらなかった夏。霧の日々が続いてカビの付着を心配。そして突然の猛暑によってレーズンみたいに干からびてしまった房が出る始末。10月にはいってようやくインディアンサマーがやってきた。これでブドウがいっせいに熟しはじめたと思っていたら雨。10月の半ばを過ぎたのだから、雨が降るのは珍しくない。
今年のソノマカウンティの収穫量は10年間で一番少なくなりそうだ。
自然には勝てないので、与えられた天候下で栽培家はベストを尽くしてブドウを育て上げる。そのブドウから醸造家はベストのワインを造る。これが自然の掟。ワイン産業に携わる人々を謙虚にしてくれる。

2010年10月20日水曜日

雨!



インディアンサマーが続いていた。気温が38度前後の日々が1週間。ちょっと暑いけれど、涼しい土地で晩熟ブドウが熟するのを待つ人たちにとっては幸運の日々だった。昨日の朝、目が覚めると朝日がきらきらと輝くまぶしさになれていた目には奇妙な感覚で、どんより曇った空が窓から見えた。なんだ、なんだと一瞬戸惑って外を見ると、雨が降っているのではないか。「オー、ノー!」と思わず叫ぶ。今雨が降るってのはないんじゃないのと言ってみたところで、自然の神が聞いてくれるわけじゃなし、、、。
相棒も、「うーん」と言ったきり寡黙。
でも今日は気温は21度前後で、からっと晴れた。涼し目の風が吹いている。糖度は上がらないかもしれないけれどカビが付く心配が少ないだろう。我が家の近所のブドウ畑のピノは摘み終わっているけれど、シラーとカベルネがまだ収獲待ち。やや涼しい地区の晩熟品種にとっては、難しい年だ。

2010年10月3日日曜日

2010年収穫真っ最中


散歩をしていたら近所のブドウ畑のそばに車がずらりと駐車されていた。この畑の収穫が始まったのだ。シラーはまだ摘まれていなくて、隣のピノ・ノワールの畑は房がすっかり消えていた。
ブドウ栽培管理事務所の知り合いは、「高温のおかげでブドウがいっせいに熟して、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランの収穫がほぼ終わった。今週中にピノ・ノワールも摘み終わる予定だ」と言っていた。10月に入ってシャルドネやソーヴィニヨン・ブランを、それにピノを摘むのは、例外だ。
「今年のヴィンテージは、どんな感じ?」と聞いたら、「グレートな年ではないけど、悪い年でもないという感じかな」という。
相棒が造るカベルネ・ソーヴィニヨンの畑はまだ熟するのを待っている。

2010年9月30日木曜日

インディアンサマー到来


待望のインディアンサマーがやってきた。このところ38度前後の高気温の日々が続いている。来週も38度まで気温が上昇しないかもしれないけれど、28-30度の日々が続きそうだ。この気温をばねにブドウが一気に熟成してくれるだろう。ソノマ・カウンティのハーヴェストフェアーのワインテイスティングでペドロンチェリーの娘さんと談話。ようやくシャルドネを本格的に摘み始めたという。9月末にドライクリーク・ヴァレーでシャルドネを摘み始めるなんて、今まで聞いたことがない。今年の気候パターンは異常。
相棒がワインを造るソノマ・マウンテンは涼しい地区だ。カベルネ・ソーヴィニヨンを摘み始めるのはいつになるのだろうかと気をもんでいたけれど、これで糖度があがってくれるので、ほっとしている。カベルネは晩熟品種のなので、10月中旬に摘むことがあっても、それほど驚かない。
ピノがいっせいに熟し始めた。ピノは果皮が薄くてデリケートなので、この暑さでレーズンになってしまうのを避けるために摘み取りに大忙し。
38度は暑い。行きつけのワインバーでは、スパークリングワインと冷やしたロゼで暑さをしのぐ人が多かった。

2010年9月18日土曜日

セレブシェフ誕生



サンフランシスコは世界でも指折りのグルメ都市として知られている。だからセレブシェフも多い。
7月、私の誕生日にインターコンチネンタル・ホテルの1階にあるレストラン「LUCE(ルーチェルー)」のソムリエを知っているので、ディナーに行った。ここのお任せ8コースの料理は価格が手ごろで、とても美味しい。ニューアメリカン料理と呼ばれる。調味料、スパイス、味わいはグローバル。地元の新鮮な食材しか使わない。フランス人女性シェフ、ドミニク・クレンがテーブルへやってきて、鉄腕シェフアメリカの番組に出演したので、その番組を見るプライベートパーティをルーチェで開くからいらっしゃいと招いてくれた。
8月にパーティに出かけた。あちこちにテレビのモニターが設置されている。アピタイザー、ワインが気前よく振舞われ、多くのゲストで混みあっていた。お腹もふくれたころ、いよいよ番組を見た。女性シェフ、ドミニク・クレンが鉄腕シェフ・アメリカの鉄腕シェフ、シモンに挑戦。クレンシェフは色鮮やかなクリエイティヴな料理を次々と産み出していく。はらはらしながら見た。いよいよ、結果の発表。シェフ・クレンが確実な点差をつけて勝った。
よく考えるともし負けていたら、パーティはしないよね。勝ったことは番組収録後に知ってたけれど、それを言うと100万ドルの罰金なんだそうで、だから言わなかったということ。
サンフランシスコにもう一人セレブシェフが誕生。

2010年9月14日火曜日

気が晴れない年




しばらく北海道の実家に行っていた。旭川、札幌のワイン会で懐かしい方々に再会。大変お世話になりました。
東京も暑かったけれど、涼しいはずの札幌の暑かったこと。
真っ青な空とからっとした天候のソノマに戻ってほっとした。でも涼しい日々が続いて、ブドウの熟成が遅れている。遅れているのに、私がソノマに戻る数日前に突然気温が上がったという。そしてブドウは暑すぎて干しブドウ状態になってしまったのもあると聞いた。ブドウ栽培管理をしている知り合いが管理している畑では30%も干しブドウになってしまった畑もあるという。
その後、温暖な日々が続いて、スパークリングワイン用のブドウと白ワイン用の品種の収穫がぼつぼつと始まっている。赤ワインが熟するには、まだ時間がかかりそうだ。
今年は栽培農家にとってはあまり気持ちが晴れない年だ。10月にやってくるインディアンサマー(真夏のように高気温になる)に期待している。

2010年8月10日火曜日

新テイスティングルーム



ナパ・ヴァレーのヨントヴィルという小さな町に新しいテイスティングルームがオープンした。Somerstonというワイナリーのテイスティングルームだ。
ヨントヴィルは小さな町ではあるけれど、画廊、リゾートホテル、フレンチランドリーを含む高級レストランがあることで知られるツーリストのメッカ。
このテイスティングルームは今までの一般的に見られるテイスティングルームとはちょっと違っている。広々とした室内にカウンターが2つ。品のいいワインバーみたい。ギャラリーとしても機能していて、壁に斬新な絵画が展示されている。それから嬉しいのはたいていのテイスティングルームは遅くても5時、スパークリングのテイスティングルームだと6時に終了なのだけれど、ここはなんと夜の10時までオープン。ディナーを食べ終えて、ちょっと1グラスというときに便利。
Somerstonのワイナリーはナパヴァレーの北東の山の中にあって広大な土地を所有している。ここまで試飲にやってくるのは大変ということでヨントヴィルにオープンしたもの。ここのワインをもっと知りたいという人は広大な土地をワゴンで巡るツアーを8月から行っている。

2010年8月2日月曜日

ワイン処理テイスティング



相棒が属するボルドークラブのメンバーの一人、トムは裏庭の一角に中は干草、外側を粘土で固めて作った(日本の土蔵?に近い)ワインセラーを建ててワインを保存している。例えばリッジのソノマカウンティにあるワイナリーLytton Springsも、この方法でワイナリーを建てた。セラーの中はすっきりと整頓されていて、ラベルが見やすいようにラックが並んでいる。50ケースに抑えるようにワインを買っているのだとか。
もともとはネーミングどおり、ボルドーのワインをテイスティングする会だったのだけれど、年月を重ねるうちにいろんなテーマでワイン会を開催するようになっている。
トムは1年に一度友人を招いて、古いヴィンテージで処理をすべきかどうか迷っているワインをオープンしてみんなに振舞い、ピークを超えたものと、そうではないものを確認するという粋なイベントを開く。開催時刻は午後の4時から太陽が沈むまで。
相棒についていそいそと出かけた。5時ころだったけれど、30人くらい来ていた。それぞれがフィンガーフードを持参。トムはソーセージとお肉をBQして振舞ってくれた。
ざっと数えてみたらオープンされたボトルは30本ほど。ほとんどが1998年、古いのは1970年代のもあった。カリフォルニアワイン、フランスワインが半々くらい。いかれたワインは数少なかったけれど、感激するワインもあまりなかった。2004年のWilliams Selyem のWest Roadのピノは、まだフルーティで良いワインだった。
トムの奥様が「これはどうかしらと思ってセラーからもってきたんだけど」といってオープンしたのが1993年のブルゴーニュー、ドメーヌ・デュジャック、畑はジュヴレ・シャンベルタン。コルクがちょっと痛んでいたから、ワインのコンディションは理想的ではないだろうけれど、上品で繊細、絶品!ということはなかったけれど、いいワインだった。

2010年7月19日月曜日

バスティーユ・デイ


ソノマにワイルドタイムという会社がある。友人夫妻が経営するケータリング会社だ。この会社のキッチンのある建物には大きな庭とダイニングルームがある。そこを利用して2ヶ月に一度、水曜日にヨーロッパの国をテーマに食事会を開く。
7月14日はバスティーユ・デイ(フランス革命記念日)にあたるので、フランスがテーマ。電話で予約を入れるとジョアンは「ウイー・マダム!コメサバ?」とフランス語で応答。
この日はなんと160人が参加。ステージで歌手がアコーディオンを弾きながらフランスの歌を歌うと、半分以上の人が腕を振り上げて合唱しだした。ソノマに多くのフランス系の人たちが住んでいることに驚いた。日本人は私一人。終戦記念日に君が代を演奏してくれても、どこの国の歌か、みんなわからないだろうね(笑)
オニオンとオリーブの実とアンチョビがはいったフランスのクラシックなメニュー、オニオンタルトから食事が始まった。
友人たち10人でひとつのテーブルを囲んだ。私は革命日のワインて何?という感じでよくわからないので、スペインのアルバニーニョを持参。夏らしくさっぱりとしていて好評だった。それから各自が持参したシャルドネ、ピノ、カベルネ、ジンファンデル、シラーとカリフォルニアワインのオンパレード。
オーガニックの桃とベリーにマデレーンというふっくらとしたクッキーが付いたデザート。
フランス系じゃないけれど、ワインと食事を楽しむ理由として、革命っていうのもいいよね。

2010年7月13日火曜日

オイスター&ワイン


オイスターと楽しむワインというと酸味の利いたきりっとしたワインがいい。例えばロワールのミュスカデ。値段もバカ高ではなくて気軽に飲めるのがいい。
カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランもオイスタートの相性がいい。でもスタイルによってはフルーティすぎて、ワインとしては美味しいけれどオイスターと一緒だと、少しだれるかなというのもなきにしもあらず。
カーネロスにあるワイナリーが、とっても美味しい、そしてオイスターにぴったりのワインを造っている。ロブレド・ワイナリー(Robledo)のソーヴィニヨン・ブラン($20)だ。
このワイナリーのストーリーはアメリカンドリームそのもの。数ヶ月前にはメキシコの大統領がワシントンを訪問した際、長老のロブレド氏はホワイトハウスに招待されている。一家の主、レイナルド・ロブレドが若い時にメキシコからカリフォルニアへやってきてブドウ畑で働いた。こつこつと働いて今では300エーカー(14のブドウ畑)という自社畑をソノマ、ナパ、レイク・カウンティに所有。ワイナリーもオープン。醸造から栽培、全て家族11人(2姉妹、9兄弟)で行っている。
オイスターにマッチするという意見は私だけではないようで、同ワイナリーでは7月17日にオイスター&ワインというイベントを開催する。

2010年7月6日火曜日

独立記念日



30度を超える暑い独立記念日となった。プールで泳ぐというより体を冷やして、スパークリングワインにビール。7時近くになると涼しい風画吹き始めたので、それからBQをメインにしたディナー。今年は町の花火大会に行かずに、どーんという音を聞きながら、赤ワインを仲間たちと飲み続けた。
ディナーの仲間の一人、ランドムリッジのビルは毎日ブドウ畑の手入れで忙しいという。冬に雨がたくさん降ったので、今まで見たことがないほどにどこのぶどう畑も葉がびっしり。それを切って、下草も耕して、たくさんついた房をやがて切り落としていく。硬い緑色の粒がはっきりと見えるほどに成長している。でも例年より2週間は遅れているとのことで、今年の収穫時期は遅くなりそうだ。

2010年6月28日月曜日

Bistro Sabor


サンフランシスコで200ほどのピノ・ノワールだけのテイスティングがあった。ソノマは30度を越す暑さなのにサンフランシスコは20度とひんやり。典型的なサンフランシスコの夏。その涼しさに備えて長袖のブラウスにジーンズ、歩きやすいスポーティな靴を履いて試飲をこなした。4時過ぎに帰路に着いたら、ラッシュアワー。思ったより帰り着くのに時間がかかった。
この日の夕方、ナパの町のカジュアルなラテンフッドのビストロBistro Saborのオープニングに招待されていた。家に帰って着替える時間がなくなったので、そのままレストランに駆けつけた。
オープニングだから、少しだけドレスアップした人たちが多かった。サンダルくらい車に積んでおけばよかったなと思ったけれど後の祭り。
3社ほどのワイナリーが赤ワインを注いでいた。タコス風の食べ物にあうのかなあと思いながら、でも飲んだことのないブランドなので、まずは試飲しようとカウンターに行った。太目のアイラインをくっきりと描いた女性がワインを注いでいた。胡散臭そうに私を見て、なるべくなら注ぎたくないとはっきりと顔に書いてある。グラスがなくなったから、入り口のカウンターから持ってくるようにと私に言った。いやな気がしたけれど素直にしたがってグラスを持参。私の前の女性には丁寧に説明していたのに、私には一言も話さずどうでもいいといった様子でワインを注ぐ。
「品種のブレンドは?」投げやりにボルドー品種の名前を挙げた。
「ああ、ボルドー・ブレンドね」といってそこを離れた。ふと振り返ると彼女は私を凝視していたらしくあわてて視線をはずした。「なんなのあんた」とよっぽど言いに行こうかと思ったけれど、最近気管支炎を患って疲労気味で気が短くなっているのを自覚していたから抑えた。
油でからっと揚げたタコスに鮭の酢漬け、ベジタリアン用に豆、ビーフ(これは辛すぎて絶対に赤ワインにマッチしない)がのっていて美味しかった。
Cejaワイナリーのオーナーであるアメリア・セハさんの息子がオープンしたビストロ。母親のアメリアさんがお客さんたちに挨拶していた。私を見つけて、写真に収め、みんなにこのレストランを広めてくださいとにこやかに言った。一人でワイナリーを立ち上げた女性だ。
ナパの町(ワイナリーではなくて)の多くの住民は閉鎖的で田舎のスノブだ。一人だけでやってきた日本の女(私)を、遠くからちらちらと見ている。絶対に微笑まない。
それにしても服装だけで人を判断するのは、なんとも浅はかで情けない。人によって、事情があることを想像(もし想像力があるなら)したり、表面だけで人を評価しない大人になる努力をすることを期待するのは期待のし過ぎ?

2010年5月31日月曜日

ピノとジャズ



5月も中ごろだというのに、日中は15度夜は7度という寒い日々が続く。そして雨が降る。たっぷりと水分を吸い込んで、木々は瑞々しい緑色。でも開花時期のブドウにとっては不都合な雨。
そんな中、ソノマのプラザで恒例のワイン&ソングというイベントが開催された。プラザのカフェやレストランでバンド演奏が行われていて、地元のワイナリーがワインを注ぎ、おつまみ?が付くというイベントだ。チケットを買った人たちは好きなレストラン、カフェを回ってワインとおつまみとバンド演奏を楽しむ。
私はチケットを買わないで、このイベントに参加しているカフェで女友達とランチ。1時ころ、雨雲が現れて、ざあっと雨。ガーデンなのでパラソルで雨を避けて座っていたら、雨が止んだ。その後は少しだけ日が照って、ちょうどいい気温。バンド演奏を聴くことにして、女友達と二人、イベントのチケットに含まれていないワインを1本買って、土曜日の午後のひとときをリラックスし楽しく過ごした。買ったボトルはソノマ・ヴァレーのワイナリー、ソージョーム(Sojourm)の2008年ピノ・ノワール, Sonoma Coast。よく熟した味わいなのだけれど、しつこさと重さがなくて、この日の気温とカフェの雰囲気にぴったり。ガーデンテラスでピノとジャズ。いいね。

2010年5月19日水曜日

Wine Club




ぶどう畑は枝が1mほどに伸びて、澄んだ緑色。小さな粟粒みたいなつぼみが見える。後2週間ほどで開花だという。今年は雨がたくさん降ったので、土は水分をたくさん含んでいるから、もし開花時期に雨が降らなければたくさんの房がつきそうだ。
相棒が所属しているワインクラブのひとつに、ひょんなことからゲストとして参加させてもらった。1979年に16人で結成。今も16人が限定。以前は2人の女性がメンバーだったけれど、今は男性ばかり。女性は結婚出産があるので、辞めていったのだろう。
「結成以来のメンバーがほとんどです。辞める人はいなくて、亡くなった人が出た後に次のメンバーが入っています」と背の高い温厚な紳士が話してくれた。
結成理由は、ボルドーのワインなど一人で買って飲むには高すぎるから、若い仲間が集まって飲もうよということから始まった。今は、もうさまざまなワインを飲んできているから、今回の例会のように、変わったテーマでワインを集めて試飲している。
この日のワインはシシリー、イタリア、リグリア(イタリア北西部の州)、サルジニア、レバノン、ギリシアなどの白と赤、8種類のワインだった。
例会用のワインを買ったり、場所をアレンジしたりするのは担当者一人ではなくて、それぞれがテーマを提案してみんなが賛成したら、提案者がその例会を仕切る。そのテーマでワインを集めて、会場も決まっているけれど、時には違ったレストランで開いたりしている。
試験管でワインを分析するような飲み方ではなくて、リラックスして飲んでいた。この日はセルフサービスでケータリングで用意した料理を食べながら和気藹々。テーマによってはきっちり試飲して順位をつけて話し合う。ゆったりとしていて、いい感じ。
熟年の紳士たちはこの日だけのゲストとして認められたアジア人の女性(私)にフレンドリーできちんとそれぞれが自己紹介をしてくれた。
こういうクラブっていいよね。うらやましい。

2010年5月12日水曜日

母の日



母の日の定番はブランチ。お天気がよい日だとレストランのガーデンテラスなどで家族そろってブランチを楽しむ。クラッシックな家族だとお母さんは白い花のコサージュなどを胸に飾って幸せそう。
今年の母の日はブランチの時間帯に雨。ガーデンテラスで食事をしていたら、大急ぎで中へ移動しなければならなかっただろう。
私はというと、娘がサンディエゴで司法試験の猛勉強中なので、ブランチを作ってくれる人がいない、母の日となった。一緒に休暇でハワイに行ったときに、5ドルで彼女が母の日のプレゼントをといって貝殻で作った指輪を買ってくれた。勉強ばかりで働く時間がないので、5ドルが精一杯。それでもなかなか洒落た指輪で、友人たちの目に留まって素敵だといってくれた。
相棒が娘の代わりにランの鉢植えを買ってきてくれた。ケータリングのビジネスをしている友人がブランチにいらっしゃいと電話をくれたので、グローリアフェラーのスパークリングワインとケラー・エステート(Keller Estate, La Cruz Vinyard)の2005年ピノを持参していそいそと出かけた。
友人のジョアンのハズバンドのキースが料理を、相棒がサービスを担当。キーシュ、ファヴァビーンのスープ、サーモンのグリル、スライスしたポテトのグラタン、サヤインゲンとシイタケを炒めた物。その朝買ってきたというイチゴのヴァシュランと呼ばれるケーキ。
キースはシェフなので、どの1品も美味しい。相棒のサービス振りはなんとも頼りなく、スープをこぼしそうになったりではらはら。ダイニングルームの窓から濃い緑の木々と丘に降りしきる雨を眺めながら、この町のどこのブランチよりも美味しいブランチを楽しんだ。
ケラー・エステートのピノ・ノワールはサーモンにぴったりとマッチ。とっても品質のいいピノノワール。ペタルマ川の近くの丘の上にあるワイナリーで、涼しい風が吹く。そのためか十分に熟したブドウから造られているのに、驚くほどエレガント。最近、醸造責任者が辞めたと耳にした。このエレガントなスタイルが変わらないといいな。
娘不在の母の日だったけれど、心温まる友人との母の日。幸せに過ごした。

2010年5月5日水曜日

卒業式と休暇



娘がサンディエゴにある法律学校を卒業したので卒業式に行ってきた。海沿いの都市なので朝は霧がかかって肌寒かった。サマードレスを持参したので寒かったらどうしようと心配したのだけれど式が始まった午前11時ころには南カリフォルニアの太陽が顔を出して、出席者は配られた小冊子をかざして太陽を避けるほど。式が行われるステージへ列を作って歩いていくところの写真を撮りに近づいたら、娘のキャップがずり落ちそうなのが見えた。思わず「キャップ!」と叫んでしまった。まったく恥ずかしい母親だわと、いまさらながら恥じている。
卒業祝いに親子3人でカワイ島に行ってきた。娘が高校時代と大学生のときに母娘で2度ほど来たことのある土地なので、センチメンタルジャーニーというところ。娘の父親はこの島は初めて。彼の造るワインはハワイでよく出るようだ。3軒のレストランへ行ったら、3店とも彼が造っているワイナリーのワインがワインリストに載っていた。カウンター・ポイントが80ドル。高すぎるよねというので、飲まなかった。
海の色がなんといっても美しい。何も考えずぼんやり眺めていても飽きない。食べて飲んでしっかりと休養してきた。またすぐに行きたいなあ!

2010年4月24日土曜日

レストラン Camino




オークランドにオープンした話題のレストランへ行ってみた。有名レストラン「シェ・パネー(Chez Panisse)」の元シェフ、ルッセル・モーアがオープンしたレストランだ。古い家具店を改造したもので、広々として飾り気がなく、でもどこか都会的な雰囲気。大きな宴会場のようにテーブルがずらりと並んでいる。でも天井が高く広々としていて窮屈な感じがない。お客さんで混んできたら、大宴会をしているような華やいだムードがかもし出されて、なんだか宴会気分でわくわく。
メニューに載っている料理の数は少ない。でもその日に手に入った新鮮な食材を使って料理するのが特色。
この日はグリルしたアスパラにチリとア-モンドとヘイズルナッツのソース。ブラッド・オレンジに、グレープフルーツ、ビーツと他のグリーンのサラダ菜とフラットブレッド。ダックの胸肉と脚のグリルに、ベルジャン・エンディーヴ、ポテトとオリーブのグラタン、ブラッドオレンジソース付きローカルの蟹とイカのグリルにガルバンゾビーン、サフロンとチリのソースなど、この日のメニューは9品種。
ワインリストはインターナショナルだ。ローヌ、ロワール、カンパーニア、ピエモンテ、トスカーナ、リオハ、レッドウッド・ヴァレー(カリフォルニア)ウイラメッテ・ヴァレー(オレゴン)、ブルゴーニュと数は多くないけれど、ここの料理にマッチするワインをきっちりと選んでいる。
料理の値段は9-25ドル、ワインは36-110ドル(ブルゴーニューのひとつのワインだけが110ドル)。安くはないけれど目の玉が飛び出るような高いレストランではない。近くに行ったらまた行きたいレストラン。

2010年4月16日金曜日

ソノマでロケ



The Wine Guy Unplugged with Anthony Gilardi というタイトルでテレビ番組を作ることになったというので、ソノマにロケにやってきた。Cline Cellarsと Jacuzzi Family Vineyards、 Sunflower Café、その他数箇所でロケをしていた。
たまたま知り合いになったプロデューサーがCline Cellarsで4時から撮影に入るから見においでというので、のこのこと出かけた、それも4時きっちりに。雨天の多い近頃には珍しく、よく晴れた日だった。夕方のお日様がさんさんと注いでいる。クルーがやってきていろいろと装置を設置して、5時になってようやく出演者がやってきた。アンソニーのゲストとして地元のソムリエ、クリス・ソーヤーが競演。
クリスが私を見つけてハーイと手を振って近づいてきた。「ドーラン、嫌いだよ」とクリスが嘆く。「でも男前だわよ」といってあげたら「サンキュー!」とにっこり。細身でイタリア系の面立ちのアンソニーは、目元もきれいにメイクアップされていた。
ようやく撮影が始まった。車でクラインを訪れるところから撮影開始。遠くに止めた車がアクションの号令でで動き出す。ワイナリーに近づく。二人が出てくる。どうもうまくいかなかったようだ。もう一度とまた車が戻る。ワイナリーのテイスティングルームへやってきた訪問者の車が駐車場を通過。そしてツーリストがぞろぞろとテイステイングルームに向かって歩く。辛抱強く待って、また撮影。オーケーが出た。次はクラインのオーナーとクリスとアンソニーたちが庭のピクニックテーブルでワインを飲むシーン。ずいぶんと時間がかかっている。いくら夏時間になったとはいえ、まだ4月。もうじき日が沈むなあと気がかりだった。落ちていく日差しがうまく絵にならないらしく、ピクニックテーブルを違う場所に移し始めた。ここまででもう6時。家に帰ることにした。
翌日は行きつけのサンフラワー・カフェで4時からということだったけれど5時30分に行ったら、ようやく撮影が始まろうとしていた。ここも写真だけ撮って帰宅。翌日、聞いたら8時までかかったとか。バーを埋めていたボランティアのエキストラさんたちは安物のワインを常にグラスいっぱいに注がれて、ご機嫌で帰ったとか。
番組を作るというのはすごく時間と辛抱のいることなのだね。
これはパイロットプログラムなので、いろんなチャンネルに送って、好評ならどこかのチャンネルで放映される。そうしたら、ソノマの次はイタリアのトスカーナ、それからアルゼンチンに行く予定だそうだ。成功するといいね。