2009年4月26日日曜日

Earth day



地球の日?とネーミングされた日に、バイオダイナミクスのブドウ栽培で知られるベンジガーから招待状が来たので行ってみた。40代の女性が主な20人ほどのグループに混じって、いろいろ話を聞く。バイオダイナミクスに使う大切なメス牛の角やクリスタルの粉なんかを手にとってみる。メス牛の角に馬糞(だったと思う)を詰めて埋めておくと中の糞が緑色になっている。それを夕方耕した畑に散布するのだという。ブドウ栽培が専門なのだけれど、バイオダイナミクスで栽培するということは家庭菜園の気持ちで取り組むのに似ていて、細部に注意と愛情を注いでいる。ブドウだけではなくて野菜もたくさん栽培していて、ソノマの町の高級レストランに卸している。益虫を招く草花がたくさん植えられている。そのひとつ華やかな紫色のラベンダーのそばで話を聞いていると、ミツバチがぶんぶんと蜜を吸っていて、そばにいる人間になど目もくれない。
今年は暑い日が早くにやってきたせいでブドウ畑は新芽がすっかり伸びて畑は緑色になっている。

2009年4月23日木曜日

Buenos Aires 5



翌日は1時間かけて、ラ・ペナの材料となるフナへーニョとネーミングされた相棒とマーク、その他数人で共同所有している畑を見に行く。遠くに雪をかぶったアンデスが見える。ブドウ畑のそばで恒例の子豚の丸焼き、新鮮な野菜のサラダのランチを楽しんだ。それから3つほどワイナリーを回った。アルトセドロ(Altocedro)、アチャヴァル・フェレルー(Achaval-Ferrer)、オーフォールニエ(O.Fournier)とそれぞれ個性が違う。
アルトセドロは昔からあった古いワイナリーを青年が買い、ブドウも自分で植えて個性豊かなワインを造っている。ワイナリーは大きいので自分が使う部分だけ近代化している。昔のワイナリーってこんなんだったんだなと残りの箇所を見て学んだ。
アチャヴァル・フェレルはいまや近代の老舗ワイナリーだ。ブドウ畑のテロワールを表現するワインを造っている。そのワインは落ち着きを感じさせる。この土地のワインでは最高峰を行くワインだと思った。
オーフォルニエはスペインの実業家が建てたモダンな建物、まるで宇宙ステーションみたい。テイスティングルームは全てガラス張り。池と噴水が建物を囲んでいる。タンクもセメント、ステンレ、少量生産のための小型発酵タンクと、全てそろっている。ワインは優等生で、いいワインなんだけれど、飲み手になにも伝わってこない。アルゼンチンは面白いワイン産地であることは確かだ(ワイナリーの詳細は次回のニュースレターに書きます)

2009年4月19日日曜日

Buenos Aires 4


喧騒とスモッグのブエノスアイレスを離れてワイン産地のひとつ、メンドサへ移動。飛行機で1時間30分。飛行場は驚くほどに小さい。レンタカーのオフィスの手続きは長い時間がかかる。「ウエルカム・ツー・アルゼンチン」と相棒。
秋だというのに日差しが真夏のようにとても強い。でもブドウ畑は収穫が終わって、ブドウ樹はちょっとだけ黄色みを帯びている。
ホテルに荷物を置いてメンドサの町にあるパレスホテルと名前だけ立派なホテルのイタリアンレストランで恒例のブラインドテイスティングの準備にかかる。私たちより一足先にメンドサに着いていた、ベルギーのマークがアルゼンチンのソムリエ協会の会長アンドレがリストを作ってくれたのに添って13のマルベックを購入。(試飲したワインのリストと全体的な印象等は次回のはニュースレターに書きます)紙袋に入れてテーブルに並べて、袋にアルファベットを書いてという準備作業はなぜかしら、私。
ローレル・グレンと提携しているカブリニ・ファミリー・ワイナリーの人たちが醸造家からオーナーまで、全員参加。毎年、このテイスティングを楽しみにしてるのだと相棒。それはそうよね、これだけのマルベックを価格にかかわらず試飲できるのだから。ミシェル・ロランが造るワインも入っていた。
昨年と比べても、品質がとても向上している。13の中に、ローレル・グレンが造っているマルベック・ラ・ペナ、カブリニワイナリーのワイナリーも2つミックスしてある。
シャトー・ヌフ・パペのペゴのロランスもカホールのル・セドラのパスカルも真剣に試飲。全員が順番を着ける。
この試飲ではラ・ペナが一位だった。
相棒とローレル・グレンのオーナーであるパトリックがメンドサでカブリニ家と提携してワインを造り始めて、もう9年。栽培技術の向上、収穫量を落とすように、絶対に酸を加えるなと辛抱強く言い続けて、ようやくその結果が見え始めたようだ。

2009年4月10日金曜日

Buenos Aires 3



ベルギーのワイン商のマークがフランスから2人の醸造家を連れてブエノスアイレスにやってきた。シャトー・ヌフ・パプのペゴーのロランスとカオールのル・セドレのパスカルだ。ワインショップとワインバーレストランを兼ねる洒落た店、Wineryというところで、相棒がヨーロッパの3人とソムリエ協会の会長とアンドリューとダンソンの女性ソムリエとのランチの手配をした。
アルゼンチンの(というか多分ブエノスアイレスだけかも)ソムリエ教会は200人のメンバーがいるとのこと。1-2年ワインの勉強をして、試験を受けてソムリエの資格を取得するということだった。アンドリューは祖先がデンマーク人だそうで、英語、スペイン語、フランス語を流暢に話す。
あと2ヶ月で出産というフェルナンダが汗を拭きながら1時間遅れて現れた。アンドリューにワインを選んでもらう。近代的なワインを生産し始めてからあまり年月がたっていないから、個性豊かな素晴らしいワインというのはまだまだ少ない。でもその品質の向上には目を見張った。畑のテロワールを把握して、それに合わせたワインを造り始める日がそこまで来ているようで楽しみだ。もっともテロワールが明確に出るのかどうかという疑問もあるようだけれど。マルベックの長期熟成は?と聞いたら、アンドリューは「アルゼンチンは何でもごちゃごちゃなところ。騒乱のなかで、すごいのもひどいのもでてくるから、なんともいえない」という正直な答え。そんなところが相棒はとっても気に入っている。ル・セドレのパスカルのマルベックは軽やかでとても優雅。アルゼンチンのマルベックはよく熟している。7本ほど飲みながらの2時から始まったランチは5時まで続いた。胃薬を呑みながら飲んで食べてと連日がんばっている。今夜は10時のディナーをペルー料理を食べにマークのグループと行く予定だ。

2009年4月6日月曜日

Buenos Aires 2



アルゼンチンというとタンゴ。というわけで古くからあるConfiteria Idealという昔のサパークラブのようなところへ行って見た。全盛期はどんなにか華やかだったことだろう。今は、ちょっと疲れて寂れた感じで残念。
土曜日の昼ということで、簡単な食事、それから予約した人たちへのタンゴのレッスンをしていた。40代か50代の3カップルと、2人の独身女性が生徒。若い女性と男性のインストイラクターが親切にステップを教える。ちょっと小太りのカップルたちは、恥ずかしがることなく、素直にレッスンを受けている。運動が苦手だけどダンスが好きという人にぴったり。飛び跳ねたりしないから膝に無理がかからず、ステップを覚えるために頭を使う。それにカップルで静々とタンゴを踊るって言うのもいい感じ。
途中で心地よい汗をかいて、コカコーラを飲んで、またレッスンを始めた。ここで習って、夜には2階のダンスフロアで踊るのかもしれない。
ソノマからやってきたランスとサンディ、それからスティヴとマリアンリーと夜の9時に落ち合って、ドイツ風アルゼンチン料理を食べてから、ここへ再度やってきた。12時を過ぎていた。きれいに着飾ったカップル。ジーンズのカップルと色とりどり。生のタンゴ演奏に合わせて、気持ちよく踊り始める。上手な人もいれば下手な人もいる。フロアーを囲むテーブルに陣取って眺める。プロのダンサーがいるらしく、次々とパートナーを変えて踊っている。タンゴを習って腕(足?)試しにやってきたのだろう。
タンゴというと情熱的で、挑戦的で、男尊女卑のダンスというイメージをもっていたんだけれど、一般の人たちが踊っているのを見て、ちょっとイメージが変わった。真夜中を過ぎて、1時になったからアパートへ戻ろうとしたら、ぴしっと背広を着て頭をきっちりと固めた男性と初々しい感じの女性が大きな拍手の仲でフロアへ出てきた。プロのダンサーが踊って見せてくれるということなのだった。とても素敵に踊っていた。
このころになるとヘビーロックが好みの私にはタンゴの単調なリズムを聞くのが苦痛。帰ることに賛成してくれて、ほっとして外に出る。タンゴはアルゼンチンの伝統で、それを維持しようとする人たちの努力が感じられるけれど、こうしてタンゴを踊る人たちは多分、少数派じゃないかな。

2009年4月5日日曜日

Buenos Aires 1



今、ブエノスアイレスに来ている。今日で6日目。毎日喧騒とスモッグの中を歩き回っている。アルゼンチンはは秋。真夏のように暑い日があるかと思えば、雨が降って気温がかなり下がる。あちこちにカフェがあって、美味しいコーヒーを飲むのには事欠かない。歩道がでこぼこなので、地面を気にして歩かないと危ないから、ゆったり散策という感じじゃないけれどね。今、夏物がセールなので半額でTシャツが買える。デザインはなかなか素敵。それに私のサイズが普通なのがありがたい。ブエノスアイレスの女性も男性も美しい。目の保養をさせてもらっている。
昨年来たときにも行った、お気に入りのワインバー DANZONへ行った。相棒が長い間知り合いの女性ソムリエ、Fernanda Fazekasとハンサムな青年ソムリエ志望Maximilimano、略して Maxがワインをサービスしてくれた。
アルゼンチンへやってきたのだから、アルゼンチンのワインを飲む。白はトランティス、赤はマルベック。トランティスはシェナン・ブランか、こってりしているとギヴェルツトラミナーのような香りと味がする。よくできたトランティスは酸味がきれいですっきりした白で、食べ物とよくマッチする。それに値段ときたら、4-5ドルなのだ!
マルベックはいいのも悪いのもあるのは、当たり前。でも値段が安い。ドルで40ドルしたら、相棒たちは高い!と目を吊り上げる。女性ソムリエのお勧めでダンテ・ロビノというワイナリーのボナルダという品種の赤ワインを飲んだ。これがとっても美味しかった。自国のワインに愛情をそそいでいて、マルベックとテンペラニニョをたくさん飲ませてくださった。いろいろとコメントを(特に相棒と)話し合った。
彼女は妊娠中で、それでも朝の1時まで私たちにワインをサービスしてくれた。まだまだ男性中心の世界で女性ソムリエとしてがんばっている。ワインの世界は、こうしてどこの国へ行ってもお友達ができるのがいい。