2009年12月11日金曜日

アメリカンフットボールとワイン



私はアメリカンフットボールの大ファン。ひところは49ナーズのシーズンチケットを持っていて、日曜日のゲームの時間はミーティングの予約も入れないという徹底振りだった。オーナーが変わってチームの品が落ちてしまったのでシーズンチケットは放棄。でもゲームは見ている。
先日ニューオリンズへ越した友人がガールフレンドを伴ってソノマにやってきた。マンデーナイト・フットボール(月曜日のナイトゲームで全米で放映される)は無敗のニューオリンズ、セイントと名門チームのイングランドのゲーム。絶対にみなければならないとジョンが言う。それを聞いた相棒は張り切ってゲームディナーを用意した。
二人はランスとサンディの家に泊まっているので、この二人も招待。
まずはチップスとホームメードのサルサ、ワカモリ(アボカドを使ったディッピング)にドイツの2007年のPRINZのリースリング(ラインガウ地区のものでトロッケン)。
ランスがあわびをガーリックとバターで料理。相棒はカキフライ。ニューオリンズではオイスターを大いに食べるからというのがその理由。この2品にピノを合わせる。まずはノールのピノ。ジョンがカリストガの町を訪れてワインショップに立ち寄ったらノールのピノがあったのでジンファンデルのワイナリーだと思っていたのにピノも造ってるんだというので買ってきたもの。2007年のノールのピノはエレガントで酸味がきいていてクラシックなピノだった。カキフライとあわびによくマッチ。じゃあ、次はオレゴンのピノにしようと2007年ボーフェレーのピノをオープン。このワインには飲み方のルールがある。瓶内に炭酸ガスを注入してあるのでエアレイト(デカンタ)して少し時間を置いてから飲むことというもの。炭酸ガスが消えて時間がたったらきれいなチェリー風味が出てきて美味しい。2本のピノはあっという間に空。そこで相棒はじゃあもう1本オレゴンのピノをというので2006年のソーターのベーコンヒルズのピノをオープンした。ボーフェレーよりもう少しボディとコクのあるタイプのピノだった。
テレビに向かって叫びながらのディナー。予想ではニューイングランドが勝つと言われていたのに、ニューオリンズが断然に強い。
もうこれでワインも料理も終わりと思っていたら、相棒が牛肉を焼くという。「えー、まだ食べるの?」と言いながら料理が出てきたら全員がぱくぱくと食べている。フォーマンのセカンドラベルであるシャトー・ラ・グランデの2006年のカベルネとアルゼンチンのミシェル・ロランが造る2007年のクロ・デ・シエテで肉料理をいただく。
ニューオリンズが大きな点差をつけて勝ったので、ジョンもガールフレンドのリサも嬉しそう。美味しいワインと料理、ひいきチームの勝利。愉快な仲間と美味しく食べて楽しく過ごした一夜だった。

2009年12月2日水曜日

ペニンシュラ・ホテルのイベント



ペニンシュラホテルでワインイベントがあって、そのイベントにカレラとオーボンクリマが招待されて、その通訳としての依頼を受けて東京に行ってきた。素晴らしいホテルでランチョンとセミナーを無事こなしてソノマへ戻った。
ランチョンはザ・ペニンシュラビバリーヒルズのシェフのジェームス・オーバーボウの料理にオーボンクリマとカレラのワインを合わせたもの。どの料理も美味しかった!
その翌日はユニオン・スクエア東京でのイベント。東京のミッドタウンは一足先にクリスマスの演出をしていた。きれいなライトアップ。でもこれって純粋に商業作戦だよね。キリストの誕生とかっていうことはまるで関係ないのよね。ふーん。でもカラフルで美しかった。冬の光の祭りってとこかしら。
ワインカントリーはすっかり秋。そして感謝祭、娘が帰ってきてディナー、パーティと忙しく楽しく過ごしていたら、あっという間に時が過ぎた。町はホリデーシーズン一色になる。

2009年11月4日水曜日

92年のハーラン



相棒の誕生祝いに、彼のスタッフが夕食を料理してくれた。そのときに相棒が飲もうといったワインは92年のハーランと2000年のアリエッタ、ハドソン・ヴィンヤード、Hブロック、96年のグローリア・フェレア、ローヤル・クヴェ、ブリュットの3つのワイン。5人で3本と量的に少ないのは、スタッフの2人の女性はワインは好きだけれど、そんなにたくさん飲まないこと、一人のスタッフ、エレンのハズバンドはワイン大好き、いくらでも呑めるのだけれど運転があるから控えなければならないことが理由。タクシーで帰るのは遠すぎるのだ。
グローリア・フェレアのブリュットは16年たっている。熟成香が少し出始めていたけれど、まだフレッシュさが残っていた。フレンチシャンパンのようなデリケートさはないものの、楽しく飲んだ。
ハーランをオープン。スパイス、ほんの少しだけアニスの香り。熟成の香りがほんの少し。まだまだ若々しさが残っている。いろんな味わいのエレメントがきれいに溶け合ってまろやか。味わいに深みがある。長いフィにシュ。エレンが作ってくれた豚肉を8時間煮込んだ料理とよくマッチ。
アリエッタのH ブロックはシラーとメルローのブレンド。ブレンドがユニーク。若若しくてスパイシー。スタッフは料理好きで料理上手。相棒はラッキーだと喜んでいた。

2009年10月28日水曜日

2009ハーヴェストラストスパート


雨が止んで、暖かい日々が続いた。でももう10月も終わり。街路樹の葉が落ちて歩道に散り、ブドウ畑も黄色。秋がやってきた。
今週末からまた雨が降るという天気予報を聞いて、ワイナリーはラストスパートをかけてブドウを摘んでいる。2009年のハーヴェストも間もなく終了。
あちこちのワイナリーでハーヴェストパーティを開いて収穫を祝っている。相棒もクルー(ワイナリーで働いている人たち)と一緒にピッツア屋さんで祝った。そしてハローウイーン、その後、時間を1時間早めて冬時間。前日まで明るかった夕方の5時が、翌日は6時になるので、薄暗くなる。雨季、ワインカントリーに冬がやってくる。

2009年10月24日土曜日

2001 & Quilceda Creek


2006年の Quilceda Creek Galitzine Vineyard のカベルネが手に入ったから、ランスとサンディを呼んでディナーをしようと相棒が提案。7時に二人がやってきた。この日、ランスは白ワインの試飲をしたというので、半分ほどしか減っていないイタリアとオーストリアとカリフォルニアの白ワインを3つ持ってきた。まずはこのワインを4人でさっとテイスティング。悪くはないけれど、すごいということもなかった。
アピタイザーは2つ。相棒がフレッシュなホタテにさっと醤油をまぶしてこんがり焼いた一皿、ランスが、こちらもフレッシュな鶏のレバーが手に入ったからと持参して、タマネギと一緒に炒めた一皿。
白は試飲だけにして、ピノを飲み始める。2005年J.Milken (Salmon Hill Vineyard)が程よく熟成してホタテにも鶏のレバーにも良くあって美味しい。
今夜のメインワイン、2006年の Quilceda Creek Galitzine Vineyardともちろんステーキ。ステーキにマッシュルームの薄切りを乗せて焼いたもの。文句なしによくマッチ。クイルセダ・クリークはワシントンのトップクラスのワイナリー。よく熟しているけれど、プルーンを思わせる過熟香がなく、そして味わいがびっしりと詰まっている。4人でしっかり味わう。いいワインだった。
ここでディナーが終わると、平日の夜だし、普通なのだけれど、サラダを食べてそれからチーズを食べようということになった。
「ランス、セラーから好きなワインを選んで来いよ」と相棒。ランスは2001年のローレル・グレンと2001年のヴィアデアを選んだ。理由は二つの同じヴィンテージを飲み比べてみたいから。
2001年のlaurel Glenは、とってもよく熟成していて、造った本人が驚いていた。 2001年の Viaderは、まだ熟成のバランスが取れるところまでいっていないのかどうか、とってもきれいなワインなのだけれど、全員で感激するところまでは行っていなかった。
全員超ご機嫌。この夜はランスとサンディは車を置いてタクシーで帰った。

2009年10月17日土曜日

嵐とハーベスト



数日前に嵐が到来。収穫時期の雨はブドウにとって大敵。天気予報を聞いて、大急ぎでブドウを摘むところが多かった。特にシャルドネは雨に弱いから、これは絶対に摘まなければならない。カーネロス地区にあるドナムというピノ・ノワールとシャルドネを生産する小さなワイナリーに行ったら、オーナー兼栽培家のアナさんが「雨が降るというから、この前みたいに少し降るのなら、もう少し糖度があがるまで待とうかなと思ったの。でもよく予報を聞いていると嵐が来るというじゃない。大急ぎで摘んだのよ。摘んで本当に良かった」と話していた。彼女のピノ・ノワールはちょうど2005年と2007年の中間で、とってもいいという。2005年のような酸と2007年のようによく熟してるのだけれど過熟じゃないのだという。期待したい。
大手の優良ぶどう園ベックストファーはラジオのインタビューに答えて、大方のブドウは摘み終えたけれど、カベルネはまだ残っているといっていた。
ローレル・グレンもまだ摘んでいないカベルネが残っている。小さなワイナリーなので、発酵タンクが二つしかない。そのタンクが一杯で、摘んでも発酵するタンクがないからだ。それで涙ながら、カベルネを雨にさらした。カベルネはシャルドネに比べると、雨には強いブドウだから、何とかししのげると思うけれど、全然、影響がなかったとはいえないだろうね。相棒はブドウは農作物なのだから、こういう年もある、自然には逆らえないよと達観。小さなワイナリーの苦しみだ。
でも嵐は1日半ほどで通過。翌日からいい天気が続いている。カベルネたちに気持ちをしっかりと持って、なんとかがんばってほしい。
と書いていたら、今日は雨。朝方に摘む予定だったローレル・グレンのブドウは、また、待機中。ため息。写真は秋の気配が濃くなった木々、とカーネロス地区の葉が黄色になったシャルドネの畑。

2009年10月4日日曜日

もう秋


10月に入った。日は相変わらず燦燦と注いでいるけれど、風が冷たい。歩道には落ち葉が目立つ。涼しい地区で、晩熟品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンを栽培しているローレル・グレンは、ようやくブドウの収穫が始まった。ここしばらく相棒は多忙。
先日、札幌から二人の紳士がワインカントリーへやってきた。気張らずにワインをよく理解していてさりげなくワインを楽しむ二人。そしてこの二人の紳士はシャンパンが(スパークリングワインも含めて)大好きだと言う。大概の男性は彼女が好きだからお付き合いに、まあ、祝い事だからというので飲むことが多いけれど、このお二人はコーヒーを飲む感覚でシャンパンを飲む。
男性が気張らずにシャンパンを飲んでいるのは、数年前にスイスの小さな町のワイン祭りが開催された由緒あるホテルのロビーでほとんどの男性がシャンパンからその日の夕餉を始めていたのを見たのがはじめてで、とても印象的だった。数ワイナリーを回って、午後4時過ぎ、「ああ、スパークリングワインが飲みたい」と紳士の一人は言った。私が好きなスパークリングワインの一つ、Domaine Carneros の2003年 Le Reveをワイナリーの夕日が見えるテラスで飲んだ。どんなワインもオープンに楽しんでいられる二人の紳士に感激。

2009年9月24日木曜日

Opus One and French Lundry


ひさしぶりにお客様と一緒にツーリストとしてオパス・ワンに行った。グラスに4分の一ほど2005年のオパスワンが注がれた。1グラス30ドル。以前はロバート・モンダヴィとバロン・フィリップ・デ・ロスチャイルドの横顔が入ったグラスに(注ぐラインもくっきり入っていた_)が使われていたのだけれど、今はロゴなし普通のグラスだった。その理由は頻繁に盗まれるので、普通のグラスに変えたということだった。前に来たときに30ドルもするのだから、グラス付きかと思ったら、「グラスは含まれていません」という立て札がカウンターにしっかり置かれていたのを思い出した。
2005年は例年よりやや涼しめの年だったからだろう、黒系フルーツ、カシス、赤肉の香りと、おなじみのアロマなのだけれど、高級クラブの華麗な女性のような華やかな香りではなくて、アロマと味わいは抑制された感じだった。こなれたタンニンが印象的。1本190ドルの値があると思うかどうかは、買い手が決めること。私にとっては190ドルなら美味しくて当たり前で、美味しかったけれどすごい感動はなかった。でもテラスからの見晴らしはあい変わらず美しかった。
それにしてもこのワイナリーへ行って日本人の訪問客に会わなかったことはない。
ナパ・ヴァレーのツーリストの定番はオパス・ワンとフレンチ・ランドリーとなっているようだ。でもフレンチ・ランドリーは予約を取るのがすごく困難だから、じゃあ、オパス・ワンだけでもということになるのだろうね。
「日本人に会いたいならオパスワンへいけばいい」というキャッチフレーズが頭に浮かんだ。ちょっと皮肉すぎるかしら?

2009年9月18日金曜日

2009年ハーヴェスト真っ最中


1日だけの雨の後はからりと快晴。2009年ハーヴェストの真っ最中。ナパのヴィアデアに行ったので「雨の影響は?」とデリアに聞いたら「ブドウ樹のホコリを取ってくれるというほどで何の影響もなかったわ。少しの雨だったので摘み取りも続行したくらいよ」ということだった。そして今のところいい天気が続いている。スプリングマウンテンにあるフィリップ・トーニーは摘みどきまであと2週間くらいかかるという。ソノマ・マウンテンのローレル・グレンも同じくらいかかりそうだとのこと。同じ山でもハウエル・マウンテンにあるフォーマンでは、もう一部のカベルネの摘み取りが始まっていて、糖度はかなり高くなっていて、リックが驚いたほどとのこと。
なにはともあれ、好天気が続いて無事に収穫が終わりますようにと祈るばかり。

2009年9月14日月曜日

2009年ハーベスト


日本から帰って、ワインカントリーを訪問されているお客様といろんなワイナリーを回っている。ソノマ・カウンティの3つのワイナリーが9月11日〔金)と12日(土)にロシアン・リヴァー・ヴァレーとカーネロス地区のノピノ・ノワールを初めて摘んだといっていた。出来については、まだまだわからないは当り前で、今のところはいい出来のようだというのが3ワイナリーの答え。実り豊かな葡萄を見て、納得のワイナリー訪問。金曜日は異常な暑さだった。と思ったら、翌日はなんと雨の地区とそうではない地区があった。そして日曜日、13日は、ソノマは一日中、シトシトピッちゃんと雨が降った。大雨ではないので、明日か明後日にからりと晴れたら、大きなダメージはないと思う。特にカベルネはまだ摘み時を待っているので、大丈夫。ただ十分い熟して摘む段階に入っていたピノ・ノワールが少し心配。今年は、本当に異常な気候パターンで頭が痛い。

2009年9月8日火曜日

旭川のワインパーティ



北海道の旭川のロワジールホテルで素敵なワインパーティが開かれた。カリフォルニアワインと料理をあわせ、拙著「女性のためのカリフォルニアワインの本」もアピールしてくれた。
北海道まで行くと、ワインもそこそこにしか飲まれていなくて、その上カリフォルニアワインというと,ほとんど関心がないという方が多い土地だと感じる。そんな土地でいろんなワイン、そして今回はカリフォルニアワインを前面に出したパーティを開催してくれたソムリエさんに感謝。
ちなみにこのホテルは動物園が高人気のせいか、満室だった。
ワインはまだまだという北海道で一生懸命にワインの啓蒙をしている方にお会いできて、いろいろ感じるところがありました。
旭川の芝原さん、札幌の亀畑さん、函館の和田さんに、この紙面?を借りてお礼を言わせていただきます。ありがとうございました!
カリフォルニアワインの良さをわかってもらうために、私もがんばらねば、そして私に何が出来るのだろうかと考えさせられた旅だった。

2009年8月30日日曜日

女性のためのカリフォルニアワインの本




8月19日から日本滞在中です。「女性のためのカリフォルニアワインの本」という本を牧歌社から出版しました。ずいぶん前に書いた「カリフォルニアワインパスポート」は教科書的な本でしたが、今回はワインに関心を持って下さる女性のために軽いのりで書きました。この本の紹介もかねてワインパーティを開催。東京のカリフォルニアワインガーデンで素敵なワインファンの方たちとお会いすることができました。ワイン占いの話で盛り上がりました。
次は函館でお出かけワイン学というしゃれたネーミングの道新文化センター主催の和田氏が講師のワインクラスの一環「中華料理とワイン」がテーマの会に出席させていただきました。木村史能料理長がこの会のために特別メニューを作成。フルーティなカリフォルニアワインによくマッチするおいしい料理が出されました。海の幸のモッツァレチーズ入り特製塩炒めとペドロンチェリーのソーヴィニヨン・ブランがよくマッチしていました。中華料理にとろりと溶けたモッツァレラチーズが入っているところがユニーク。とってもおいしかったです。それからスモークダックの湯葉包み、新北京ダックとレッズ(ローレル・グレン)もよくあっていたので感激。写真がないのでラベルだけでお許しください。
私の本は主な書店とアマゾンで売っているので、関心のある方はぜひ買ってください。

2009年8月16日日曜日

2009年ハーヴェスト始まる



久しぶりにブドウ畑を回った。色づきがほぼ終わりつつある。もっともどこの栽培地かによって、それからどの品種かによって違うけれど。
一般的には例年より3週間遅いと言っていた。でも猛暑などがやってきたらあっという7間に糖度が上がるから、まだまだわからない。
スペイン系のスパークリングワイン生産ワイナリー、グローリア・フェラーが2009年のスパークリング用のピノ・ノワールを8月10日に摘んだ。これがソノマでは今年初の収穫。
晩熟品種であるカベルネ・ソーヴィニヨンのブドウはまだ色が均一になるほどには熟していない。コリソンワイナリーのキャシーが「カベルネを造っているから、まだまだ心の余裕があるわ」といってにっこり。
いよいよ2009年のワインが生産される季節になった。毎年のことだけれど、どうかハーヴェストが順調に進みますようみと祈るばかり。「グッド・ラック・オン・ユア・ハーヴェスト」とこの季節のあいさつをすると、真剣な表情で「サンキュー」という言葉が帰ってくる。

2009年7月18日土曜日

ハピーアワー



週日、月曜日から木曜日、午後4時から6時まで、ハピーアワーと称して、飲み物とスナックを極安で出しているレストランがある。最近は不景気なので、ハピーアワーに工夫を凝らしてお客さんの関心をひいているところが多い。
ナパヴァレーのセント・ヘレナにある有名レストラン「グレイストーン」からニュースリリースのメールが入った。
一人10ドルで1グラスのワインとスナックが楽しめるというもの。このレストランの食べ物はとっても美味しい。早速行って見た。
なんといってもセッティングが素晴らしい。テラスから29号線を挟んで向こうに見えるブドウ畑を眺めながら、一流レストランのフレンドリーなサービスと味を楽しむ。ワインはリパブリックのソーヴィニヨン・ブラン、グローリアフェラーのスパクリングワイン、アンティのロゼから1グラスを選べる。ワインの洗濯としては悪くない。超高級ワインで歯ないけれど、安価なワインでもない。そしてスナックはテンプテーションとネーミングされたこのレストランで私が昔から大好きだったアペタイザーがなんと4種類もついてくる。セロリのスープ、揚げワンタン、モッツレーラチーズとプチトマト、スモークサーモン、フォアグラにみじん切りのピーチ。少量ずつなのだけれど、どれもとっても美味しい。
酔い計s期を眺めながら、くつろいでワインとアピタイザーを楽しんですっかりくつろいだ。この後が問題。あんまりいい気持ちになって、もう少し飲みたいし食べたいねということになってしまうからだ。そして結局はもう少し食べて帰ったので、お一人様10ドルでは決して終わらないということ。このプロモーションは効果的だと思うよ。そして楽しかった。

2009年7月11日土曜日

BQの季節



私が住む家は、昔、金持ちが別荘として使っていた家だから夏用に建てられている。ということは冬は暖房設備が貧しくて、とっても寒い。夏はソノマ山に沈む夕日を眺めながら庭で食事を楽しむのは最高の気分。それを有効に使わない手はないと、庭で食事が出来る季節になると、相棒はせっせとBQをしてくれる。最も太平洋からやってくる霧がソノマ山の向こう空やってくる日は、太陽が沈むと気温が一揆に落ちるので寒くて震え上がるけれど。
この日は牛肉と新鮮な野菜、スプリングオニオン、日本のなすび、ベビーポテトにオリーブオイルをさっと塗って焼いたシンプルなメニュー。
シンプルな料理に合わせたのがグッドヴァリューのアヴァロンのカベルネ。町の行きつけのワインショップで12ドルで買った。フルーティでコクがあって、スタイルは今風だけれどオークの香りと味が強すぎず、二人で1本を簡単に飲み干してしまった。シンプルな夕食だけれど食材はオーガニックでフレッシュ、そういうディナーに気軽に飲めるカベルをあわせて楽しい夕餉を過ごした。

2009年6月11日木曜日

涼しい初夏 2009年



発芽、開花と順調だった。霜の害にあうこともなかった。そして6月。結実して硬い緑色のブドウの房が葉の陰に見えている。
カリフォルニアの6月は太陽がたくさん当たる月なのだ。それが今ひとつ気温が上がってくれないので、涼しい栽培地区はちょっと気をもんでいる。
昔は剪定をしたら、後は芽が出てブドウが生長して収穫するのを待つというシンプルな栽培だったけれど、今は、いろいろと手間をかけなければいいブドウが育たないということがわかった。特に今年のように気温が思うように上がってくれず、曇った日が多いと、摘葉と呼ぶ作業が早速行われている。ブドウの房が葉に覆われているので、房の周辺の葉を取り除いて、房に太陽が当たるようにするのだ。近所の畑でもせっせと摘葉作業が行われている。

2009年5月26日火曜日

メモリアルデー


メモリアルデー(戦没者記念日)が月曜日なので、土、日、月と3連休。この日はBQをして楽しむのが慣わし。私たちは日曜日にブランチ、そしてメモリアルデーはサンフランシスコ・ジャイアンツの野球観戦。
11時からのブランチにはランス&サンディ、パム&ジェリーの常連が我が家にやってきた。4人と相棒は大学時代からの仲間で、今も仲がいい。
ブランチはベーグルに、スモークサーモン、クリームチーズ、レタス、キューリ、トマト、タマネギをそれぞれが選んでサンドイッチにして食べるという美味しくて簡単なメニュー。ソノマのベーグルはオーナーのおばあちゃんがニューヨークで手作りしていたレシピーを元に、ベーグルの店をオープンし、ごく最近まで手作りだった。通常お店で売っているベーグルはソフトで丸いところだけがベーグルっていう感じだけれど、味は普通のパンみたいのが多い。でもソノマのこの店のベーグルは皮が硬くて中がシコシコと腰のあるユニークなベーグル。これがベーグルだと知ってしまうと、他のベーグルは食べられない。
まずはミモザ〔スパークリングワインにオレンジをミックス〕で乾杯。ミモザはスペインのカバを使った。食事のときはソターのスパークリングワインのロゼ。ナパヴァレーでコンサルタント、そして醸造家として有名だったトニー・ソターがオレゴンに越して、定住し、そこでピノとスパークリングワインを造っている。フルーティで上品な泡。ボディもあって、食事に良くあっていた。
あまり強いとはいえない、ジャイアンツ、若手が増えて知ってる選手はあんまりいない。でもトラヴィス・イシカワという選手が大好きだったJTスノーに代わって一塁を護っている。日本名なので応援。今までは全然打ててなかったのに、この日はヒットが3度、そして今シーズン初の本塁打。やったね。メモリアルデーということで両チームが赤い野球帽を被っていた。「兵隊さんは規律願います」と4イニングでアナウンスがあった。そして全員が立ち上がって感謝を表して大きな拍手。そして「美しいアメリカ」だったと思う、アメリカをたたえる歌を歌った。まだイラクとアフガニスタンで戦争中なのだということを実感。
テレビではイラクとアフガニスタンで戦死した兵隊さんの墓地で、父親を知らない子供たちがお墓参りをしている光景を報道。必要がなかったイラク戦争で命を落としたアメリカの若者たち。哀しくてみているのが辛かった。

2009年5月20日水曜日

バーベキューの季節到来



ブドウの花がひっそりと咲いている。鼻を近づけるとほんのりと石鹸の香りがした。でも強く吸い込みすぎて、花粉が鼻腔と気管支まで入って、瞬間花粉症になった。
初夏がやってきた。1日だけ日中の気温が30度を超えて、ちょっと早すぎるなあと嘆いたけれど、翌日から20度台の気温で気持ちがいい。
相棒が2009年初のバーベキューをしてくれた。得意のチキン一羽を庭で1時間かけてバーべキュ。ジューシーで心なしの炭の香りがして絶品。お店で売っているローストチキンは美味しいと思わなくなってしまった。
合わせたワインはフォーマンのリックが奥様と一緒に造っているRossi Wallaceというブランドのシャルドネ。ノー・オークのすっきりしたシャルドネでチキンとぴったり。カリフォルニアのトロピカルフルーツとオークがたっぷりのシャルドネをイメージして飲むと、シャルドネとは思われない。どちらかというと、よく出来たヨーロッパの白ワインという感じ。上品で酸味が程よくフルーツがきれいな楽しく飲める白ワイン。シャブリが大好きというリックらしい白ワイン。1本が25ドル、150ケースだけ造っている。

2009年5月12日火曜日

母の日に飲んだワイン


昨日は母の日。毎年娘がブランチを作ってくれていた。でも今年は学校があるので、サンディエゴにいて帰ってこれなかった。「大丈夫よ」といって、本当にそう思っていたのに、いざ朝になったらやっぱりちょっと哀しい。娘が電話をくれて長話。それで気が晴れた。
相棒が「僕の母親じゃないのに」とぼやきながらも、ディナーを作ってくれた。アジア系料理が食べたいといったものだから、それに沿った料理に挑戦。味は今一だったけれど、その心に感謝。
まず出来あいのツナの握りずしに(そう、ソノマでも買えるのです)合わせてドイツのリースリングをオープン。うん、なかなかいい。次ぐにチキンのササミを薄切りにしてさっと茹でて、それにごま油と醤油のソース、キャベツの千切り。刺身風でなかなかいけるので感激。これにリースリングもぴったり。次は小さなタコをミリンと醤油でさっと焼いて出してくれた。このときにはリースリングがなくなったので、タリーのピノ・ノワールをあけた。タリーのピノは十分熟しているのだけれど冷涼な地区のピノなので、フルーツの甘さがそれほど強くなくて上品。偉大なワインではないけれど、飽きずに飲める。最後に北海道ホタテのグリル。これをピノと一緒に美味しくいただいた。ソノマで北海道のホタテは珍しい。嬉しかった。娘がいない寂しさをさりげなく埋めてくれた相棒に感謝。
ボトルを2本開けたのに酔いがそう強く回ってこない。その理由はリースリングはアルコール度が9%、タリーのピノは14.3%。平均するとアルコール度は11.6%と低いと相棒が言う。なるほど。

2009年4月26日日曜日

Earth day



地球の日?とネーミングされた日に、バイオダイナミクスのブドウ栽培で知られるベンジガーから招待状が来たので行ってみた。40代の女性が主な20人ほどのグループに混じって、いろいろ話を聞く。バイオダイナミクスに使う大切なメス牛の角やクリスタルの粉なんかを手にとってみる。メス牛の角に馬糞(だったと思う)を詰めて埋めておくと中の糞が緑色になっている。それを夕方耕した畑に散布するのだという。ブドウ栽培が専門なのだけれど、バイオダイナミクスで栽培するということは家庭菜園の気持ちで取り組むのに似ていて、細部に注意と愛情を注いでいる。ブドウだけではなくて野菜もたくさん栽培していて、ソノマの町の高級レストランに卸している。益虫を招く草花がたくさん植えられている。そのひとつ華やかな紫色のラベンダーのそばで話を聞いていると、ミツバチがぶんぶんと蜜を吸っていて、そばにいる人間になど目もくれない。
今年は暑い日が早くにやってきたせいでブドウ畑は新芽がすっかり伸びて畑は緑色になっている。

2009年4月23日木曜日

Buenos Aires 5



翌日は1時間かけて、ラ・ペナの材料となるフナへーニョとネーミングされた相棒とマーク、その他数人で共同所有している畑を見に行く。遠くに雪をかぶったアンデスが見える。ブドウ畑のそばで恒例の子豚の丸焼き、新鮮な野菜のサラダのランチを楽しんだ。それから3つほどワイナリーを回った。アルトセドロ(Altocedro)、アチャヴァル・フェレルー(Achaval-Ferrer)、オーフォールニエ(O.Fournier)とそれぞれ個性が違う。
アルトセドロは昔からあった古いワイナリーを青年が買い、ブドウも自分で植えて個性豊かなワインを造っている。ワイナリーは大きいので自分が使う部分だけ近代化している。昔のワイナリーってこんなんだったんだなと残りの箇所を見て学んだ。
アチャヴァル・フェレルはいまや近代の老舗ワイナリーだ。ブドウ畑のテロワールを表現するワインを造っている。そのワインは落ち着きを感じさせる。この土地のワインでは最高峰を行くワインだと思った。
オーフォルニエはスペインの実業家が建てたモダンな建物、まるで宇宙ステーションみたい。テイスティングルームは全てガラス張り。池と噴水が建物を囲んでいる。タンクもセメント、ステンレ、少量生産のための小型発酵タンクと、全てそろっている。ワインは優等生で、いいワインなんだけれど、飲み手になにも伝わってこない。アルゼンチンは面白いワイン産地であることは確かだ(ワイナリーの詳細は次回のニュースレターに書きます)

2009年4月19日日曜日

Buenos Aires 4


喧騒とスモッグのブエノスアイレスを離れてワイン産地のひとつ、メンドサへ移動。飛行機で1時間30分。飛行場は驚くほどに小さい。レンタカーのオフィスの手続きは長い時間がかかる。「ウエルカム・ツー・アルゼンチン」と相棒。
秋だというのに日差しが真夏のようにとても強い。でもブドウ畑は収穫が終わって、ブドウ樹はちょっとだけ黄色みを帯びている。
ホテルに荷物を置いてメンドサの町にあるパレスホテルと名前だけ立派なホテルのイタリアンレストランで恒例のブラインドテイスティングの準備にかかる。私たちより一足先にメンドサに着いていた、ベルギーのマークがアルゼンチンのソムリエ協会の会長アンドレがリストを作ってくれたのに添って13のマルベックを購入。(試飲したワインのリストと全体的な印象等は次回のはニュースレターに書きます)紙袋に入れてテーブルに並べて、袋にアルファベットを書いてという準備作業はなぜかしら、私。
ローレル・グレンと提携しているカブリニ・ファミリー・ワイナリーの人たちが醸造家からオーナーまで、全員参加。毎年、このテイスティングを楽しみにしてるのだと相棒。それはそうよね、これだけのマルベックを価格にかかわらず試飲できるのだから。ミシェル・ロランが造るワインも入っていた。
昨年と比べても、品質がとても向上している。13の中に、ローレル・グレンが造っているマルベック・ラ・ペナ、カブリニワイナリーのワイナリーも2つミックスしてある。
シャトー・ヌフ・パペのペゴのロランスもカホールのル・セドラのパスカルも真剣に試飲。全員が順番を着ける。
この試飲ではラ・ペナが一位だった。
相棒とローレル・グレンのオーナーであるパトリックがメンドサでカブリニ家と提携してワインを造り始めて、もう9年。栽培技術の向上、収穫量を落とすように、絶対に酸を加えるなと辛抱強く言い続けて、ようやくその結果が見え始めたようだ。

2009年4月10日金曜日

Buenos Aires 3



ベルギーのワイン商のマークがフランスから2人の醸造家を連れてブエノスアイレスにやってきた。シャトー・ヌフ・パプのペゴーのロランスとカオールのル・セドレのパスカルだ。ワインショップとワインバーレストランを兼ねる洒落た店、Wineryというところで、相棒がヨーロッパの3人とソムリエ協会の会長とアンドリューとダンソンの女性ソムリエとのランチの手配をした。
アルゼンチンの(というか多分ブエノスアイレスだけかも)ソムリエ教会は200人のメンバーがいるとのこと。1-2年ワインの勉強をして、試験を受けてソムリエの資格を取得するということだった。アンドリューは祖先がデンマーク人だそうで、英語、スペイン語、フランス語を流暢に話す。
あと2ヶ月で出産というフェルナンダが汗を拭きながら1時間遅れて現れた。アンドリューにワインを選んでもらう。近代的なワインを生産し始めてからあまり年月がたっていないから、個性豊かな素晴らしいワインというのはまだまだ少ない。でもその品質の向上には目を見張った。畑のテロワールを把握して、それに合わせたワインを造り始める日がそこまで来ているようで楽しみだ。もっともテロワールが明確に出るのかどうかという疑問もあるようだけれど。マルベックの長期熟成は?と聞いたら、アンドリューは「アルゼンチンは何でもごちゃごちゃなところ。騒乱のなかで、すごいのもひどいのもでてくるから、なんともいえない」という正直な答え。そんなところが相棒はとっても気に入っている。ル・セドレのパスカルのマルベックは軽やかでとても優雅。アルゼンチンのマルベックはよく熟している。7本ほど飲みながらの2時から始まったランチは5時まで続いた。胃薬を呑みながら飲んで食べてと連日がんばっている。今夜は10時のディナーをペルー料理を食べにマークのグループと行く予定だ。

2009年4月6日月曜日

Buenos Aires 2



アルゼンチンというとタンゴ。というわけで古くからあるConfiteria Idealという昔のサパークラブのようなところへ行って見た。全盛期はどんなにか華やかだったことだろう。今は、ちょっと疲れて寂れた感じで残念。
土曜日の昼ということで、簡単な食事、それから予約した人たちへのタンゴのレッスンをしていた。40代か50代の3カップルと、2人の独身女性が生徒。若い女性と男性のインストイラクターが親切にステップを教える。ちょっと小太りのカップルたちは、恥ずかしがることなく、素直にレッスンを受けている。運動が苦手だけどダンスが好きという人にぴったり。飛び跳ねたりしないから膝に無理がかからず、ステップを覚えるために頭を使う。それにカップルで静々とタンゴを踊るって言うのもいい感じ。
途中で心地よい汗をかいて、コカコーラを飲んで、またレッスンを始めた。ここで習って、夜には2階のダンスフロアで踊るのかもしれない。
ソノマからやってきたランスとサンディ、それからスティヴとマリアンリーと夜の9時に落ち合って、ドイツ風アルゼンチン料理を食べてから、ここへ再度やってきた。12時を過ぎていた。きれいに着飾ったカップル。ジーンズのカップルと色とりどり。生のタンゴ演奏に合わせて、気持ちよく踊り始める。上手な人もいれば下手な人もいる。フロアーを囲むテーブルに陣取って眺める。プロのダンサーがいるらしく、次々とパートナーを変えて踊っている。タンゴを習って腕(足?)試しにやってきたのだろう。
タンゴというと情熱的で、挑戦的で、男尊女卑のダンスというイメージをもっていたんだけれど、一般の人たちが踊っているのを見て、ちょっとイメージが変わった。真夜中を過ぎて、1時になったからアパートへ戻ろうとしたら、ぴしっと背広を着て頭をきっちりと固めた男性と初々しい感じの女性が大きな拍手の仲でフロアへ出てきた。プロのダンサーが踊って見せてくれるということなのだった。とても素敵に踊っていた。
このころになるとヘビーロックが好みの私にはタンゴの単調なリズムを聞くのが苦痛。帰ることに賛成してくれて、ほっとして外に出る。タンゴはアルゼンチンの伝統で、それを維持しようとする人たちの努力が感じられるけれど、こうしてタンゴを踊る人たちは多分、少数派じゃないかな。

2009年4月5日日曜日

Buenos Aires 1



今、ブエノスアイレスに来ている。今日で6日目。毎日喧騒とスモッグの中を歩き回っている。アルゼンチンはは秋。真夏のように暑い日があるかと思えば、雨が降って気温がかなり下がる。あちこちにカフェがあって、美味しいコーヒーを飲むのには事欠かない。歩道がでこぼこなので、地面を気にして歩かないと危ないから、ゆったり散策という感じじゃないけれどね。今、夏物がセールなので半額でTシャツが買える。デザインはなかなか素敵。それに私のサイズが普通なのがありがたい。ブエノスアイレスの女性も男性も美しい。目の保養をさせてもらっている。
昨年来たときにも行った、お気に入りのワインバー DANZONへ行った。相棒が長い間知り合いの女性ソムリエ、Fernanda Fazekasとハンサムな青年ソムリエ志望Maximilimano、略して Maxがワインをサービスしてくれた。
アルゼンチンへやってきたのだから、アルゼンチンのワインを飲む。白はトランティス、赤はマルベック。トランティスはシェナン・ブランか、こってりしているとギヴェルツトラミナーのような香りと味がする。よくできたトランティスは酸味がきれいですっきりした白で、食べ物とよくマッチする。それに値段ときたら、4-5ドルなのだ!
マルベックはいいのも悪いのもあるのは、当たり前。でも値段が安い。ドルで40ドルしたら、相棒たちは高い!と目を吊り上げる。女性ソムリエのお勧めでダンテ・ロビノというワイナリーのボナルダという品種の赤ワインを飲んだ。これがとっても美味しかった。自国のワインに愛情をそそいでいて、マルベックとテンペラニニョをたくさん飲ませてくださった。いろいろとコメントを(特に相棒と)話し合った。
彼女は妊娠中で、それでも朝の1時まで私たちにワインをサービスしてくれた。まだまだ男性中心の世界で女性ソムリエとしてがんばっている。ワインの世界は、こうしてどこの国へ行ってもお友達ができるのがいい。

2009年3月26日木曜日

豪華版ワインディナー




ドイツのワインジャーナリストのヘルメットと奥さんのアドリアナがナパ・ヴァレーの取材にやってきた。
娘が帰ってきていたので、親友のランス&サンディ夫妻も招いて楽しいディナー。ヘルメットはラジオでフード&ワインの番組も担当しているそうで、よく食べて、愉快なおしゃべりが続いて退屈しない。
ヘルメットはパルメイヤーが好きだという。2日前に取材したときにオープンしたボトルを持参でやってきた。2日前にオープンしたとは思えないフレッシュさに感動。ピノ・ノワールは「醸造家の才能が感じられない」と私がコメントしたら「オープンしたときと、かなり違っているから、ぜひオープンしたばかりのピノを飲んでみるべきだ」という。
2006年パルメイヤー シャルドネ、ソノマ・コースト
フルーテイで軽やか、ミネラル分が少し感じられる、素敵なシャルドネだった。今までのビッグな厚みのあるタイプから、風味は十分で、それでいて軽やかなタイプに変わっている。ヘルメットは「オープンして2日目、ブルゴーニュの白みたいに変化した」という。
2006年パルメイヤー シャルドネ、ナパ・ヴァレー
口当たりがとってもオイリー。ソノマ・コーストのシャルドネよりもう少しオークが利いている。パルメイヤーの看板だったシャルドネを継いでいるのだけれど、スタイルをキープしながら抑制されたタイプに変化。
これと比較してみようと相棒が2004年のコングスガードのシャルドネ、ザ・ジャッジをオープン。こちらも口当たりがとてもオイリー。白い花と杉の味わいが残る長いフィニッシュが印象的。
前菜の酸味を抑えて小さなホタテのセビチェ〔酢漬け〕とよくマッチ。
料理好きの相棒が1日かけて牛のすね肉を煮込んだ料理は絶品だった。
これにあわせて出てきたワインも絶品。
2001年フォーマンカベルネ・ソーヴィニヨン、
よく熟したブドウが使われたコクのある赤。
2005年パルメイヤー・レッド
涼しい年にも関わらずよく熟したブドウから造られたでかいワイン。酸がバランスを取っていた。厚いグラスを使ったボトルがとても重い。
1992年ローレルグレン
ローレル・グレン特有の墨汁香。フィニッシュがとても長い。まだ若さが残っていて気品が感じられる。素晴らしいワイン。
ずらりと並んだワインと地元の手作りのパンとチーズを楽しむ。まあ、みんな良く食べるわ。
デザートワインは2003年のカトーニ。
運転を担当するというアドリアナに濃い目のミルクティーを作ってあげたら、美味しそうに飲んでくれた。
食べて飲んで笑っての幸せな一夜だった。

2009年3月21日土曜日

焼肉とカリフォルニアワイン




とても楽しい日本ならではのワインメーカーズディナーに参加させていただいた。なんと焼肉とカリフォルニアワイン。とはいってもガーリックががんがん利いた焼肉ではなくて、(それもきっとジンファンデルなんかだと美味しいだろう)主催者いわく「会席スタイルの焼肉」だった。一緒に行ったダックホーン・ワイナリーのピートは「コベビーフ?」と勇んで聞いたら、それと同等かもっと美味しい松坂牛といった。
このディナーは船橋にある備長炭火焼肉 やまとというところで開かれた。
ダックホーンのソーヴィニヨン・ブランに何をあわせるのかしらと興味しんしんだった。ホタテと野菜が出てきた。これはまず間違いなくマッチする。で次に「上たん塩」とメニューにあって、牛タンの真ん中の厚い部分だけを焼いてレモンとコショウでいただいた。フルーティなソーヴィニヨン・ブランとレモンとコショウのソースが良くマッチしたので驚いた。
目の前の炭火で焼きながらワインと共に楽しむというのが、とってもいい感じ。日本ならではのディナー。こういうのが大好きな相棒がうらやましがるだろうなあ。
上ロースとメルロー。わさびソースでどうぞといわれて、うん?肉の油をわさびが消すとマネージャー氏が教えてくれた。試してみた。なるほど。わさびと肉がミックスして上品な味わいが口に広がる。わさびソースはすった生わさびとみじん切りにしたわさびにちょっとオイルを入れて混ぜたもの。メルローにぴったり。
次はカルビとパラダックス。パラダックスはジンファンデルとカベルネをブレンドしたワイン。カルビは伝統的焼肉ソースでいただく。ジンファンデルの果実味とよくマッチ。もちろんソースの甘味はワインに合わせて調整している。
骨付きラムはパラドックスでもメルローでもよくマッチするだろう。とても柔らかいデリケートなラム。
最後はコムタン。こくのあるスープにご飯が浮かんでいる。これも美味しい!
アットホームで、この会に出席された方たちは気さくで、いい雰囲気で会が進行。お隣の女性と向かいの女性が私の肉も焼いてくれる。日本の女性って(ホントは私も日本の女性なんだけど?)優しくって素敵です。
ほのぼの気分で焼肉屋さんを後にした。

2009年3月20日金曜日

江崎信雄氏死去

10日ほど、仕事で日本に行ってた。東京は思ったよりも風が冷たくて寒いので驚いた。帰ってきたら、ソノマは真っ青な空、Tシャツ季節に変わっていた。
昨夜、江崎信雄氏死去のメールが入っていた。先週、名古屋のレストランで開かれたワインメーカーズ・ディナーで江崎氏のお二人の息子さんに再会。お父様の健康状態がかなり悪いというお話をされていたけれど、こんなにすぐに亡くなられると思っていなかったので驚いた。
ミスター・エザキ(私は江崎氏をこう呼ばせていただいていた)は、ワインを発酵、栽培と科学的な面からばかり追いかけている私に「ワインはいろんな角度から楽しみ深めるもの」ということを教えてくださった恩師。そしていろいろな本を送ってくださった。
2冊目の本を出版してお手元にお届けしたいという夢が実現しないうちに、ミスター・江崎は逝ってしまわれた。ご冥福をお祈りします。

2009年3月7日土曜日

気軽に飲めるワイン探し


耳に入るニュースは全て不景気関係。本当に深刻。いつもちょこっと寄る、行きつけのワイン屋さんでも、15ドルを超えるワインを買う人はめっきりと減ったという。それでひとつひとつ丁寧に試飲して、フレンドリー価格で、その価格以上の質があると評価したワインを取り揃えている。
毎週水曜日に1ドル(法律なので徴収しなければならないのだとか)でインポーターがやってきて5,6本のワインを試飲するイベントを開いている。
口コミで最近は店が一杯になるほどやってくる。先週はアルゼンチンのマルベック、今週はスペインのワインだった。手ごろな価格のワインから$50ほどするパーカーワインも飲ませて(試飲)させてくれる。いまだにパーカー氏の評価を鵜呑みにしている方も多く、50ドル前後でパーカーが90点以上をつけたワインは、その夜に即売り切れる。
昨夜は、女友達と赤ワインを1グラスだけ飲もうと立ち寄った。
バーのセクションがあるので、落ち着いて(7時までだけど)飲める。
ボニュー(Bonneau)という地元のワイナリーでソノマカウンティのカベルネが$13.50だった。ナパ・ヴァレーのカベルネのような華やかさはないけれど、軽やかなので食事なしでも美味しく気楽に飲めた。
15ドル前後で質がよく個性のあるワインを探すのは大変。この店は15ドル前後のものだとヨーロッパのワインがダントツに多い。別にヨーロッパワインだけを売ろうとしているのではないけれど、今のところグッドヴァリューのカリフォルニアワインが少ないのが理由。
でもこのワインのように、カリフォルニアのワイナリーでもグッドヴァリューのワインをリリースし始めている。期待したい。
写真のラベルはナパ・ヴァレーのカベルネで、こちらは$35ほどする。ソノマ・カウンティとラベルに書いているのが$13.50

2009年3月1日日曜日

アルコール飲料と癌

先日イギリスで行われた調査結果として、女性がアルコール飲料を摂取すると癌(乳癌を含む)になる率が高いという調査が発表された。それも毎日グラス一杯のワイン(あるいはビールや他のアルコール飲料)を飲んでも癌にかかる率が増えるというもの。
「そうか、乳癌予防にはワインは飲まないほうがいいのか」とこの記事を読んで思った方もいるはず。
でもいろいろと読んでみると、乳癌とアルコール飲料の関係は確かにあるものの、「喫煙と肺がん」ほど確実な関係ではないらしい。それからワインは心臓病の予防にいいという証拠は確実にあるのだという。女性が心臓病に罹る率が高いので、ワインを飲まずに乳癌になるのを防ぐより、ワインを飲んで心臓病を予防するほうがメリットがあるのではないかという声もある。
アルコールはだめ、あれもだめ、これもだめって言っていると公害に汚染されてるから空気を吸うのもだめっていうことになって、それがストレスになって病気になるってこともありうるかも。
適度に運動をして栄養のバランスが取れた美味しいものを腹八分食べて、毎日楽しく、平和に暮らせたら、これがベストだと思うのだけれど、どうかしら?

2009年2月22日日曜日

Premier 09 Napa Valley

冬にナパ・ヴァレーで開催されるトレード向けのオークションに行ってきた。今年で13回目を迎えた。この日競売に出展される、まだ樽で熟成中のワインを買いに全米はもちろん世界からワイン商たちがやってくる。
カベルネ・カントリーの名にふさわしく、出展されているワインの大半がカベルネ・ソーヴィニヨン。どのワインもレベルが高い。ただ個性豊かなワインというのが意外と少ない。
この日のオークションに参加するためにやってきた人たちを対象に2日前からワイナリー独自のパーティや、ワイナリーがグループを組んだり、栽培地区のテイスティングといったイベントが開かれる。スタグス・リープ地区、セント・ヘレナ地区、曽根さんが経営するレストラン「テラ」で開催された5社のワイナリーのテイスティング、オークション会場(CIA)の敷地内にあるワイン学校でカベルネのブラインドテイスティング、そして夜はジュースボックスとネーミングされたワイン設備を貸すビジネスのオープン記念パーティとはしご。
ワイン学校で行われたブラインドのテイスティングはとても興味深かった。ナパ・ヴァレーの20のワイナリーのカベルネが2004,2005,2006年と並べられていて、セルフサービスで自分のペースで試飲して渡された用紙にコメントを書きとめていく。試飲が終わったら、受付に戻っって、番号とワイナリー名を確認。2社のワイナリーがいいと思った。ワイナリーの名前をチェックしたらスポッツウッドとレイル・ヴィンヤードだった。
オークションの速報によると2つのワイナリーを落札した東京の中川氏がトップ・ビッダーだという。
久しぶりのワイン漬け(ほとんどカベルネかボルドーブレンド)の2日間だった。

2009年2月11日水曜日

もう春?



先週は雨の中でもレインコートを着て、剪定が行われていた。ブドウ畑沿いに車がたくさん駐車してあったら、必ずせっせと剪定作業をしているグループが見られた。雨があまり降らず、太陽が燦燦とブドウ畑を照らし、気温もあまり下がらない日が続いて、ブドウ樹だけではなくて果実樹、モクレンの花、歩道沿いに植えられている木々の花が、すっかり春だと感じたらしい。ブドウ樹の芽が膨らんできているようで、剪定を急いでいるのだ。モクレン、ミモザ、歩道の木々のピンクや白い花が咲いている。まだ2月になったばかりだというのに。
春は華やかな気持ちが浮き立つ美しい季節。でも不景気は一向に良くならない。オバマ大統領が何とかしようとしてがんばっている。
今、スーパーで買えるワインが良く売れている。ボックスワイン、大瓶ワイン。一番の売れ筋ワイン価格は1本が7ドルだという。そして1本20ドルのワインを買うかわりに1本10ドルのワインを2本買うのだ。
春めいてきたので(まだ2月初めだというのに)手ごろな価格の白ワインを飲んだ。
Tin Barnのソーヴィニヨン・ブラン。$18。ソノマに拠点を置く若いワイナリーで、2002年が初リリース。
シトラス、ライムの香りがする。シンプルだけれど優しく飲みやすいソーヴィニヨン・ブラン。もう少し酸味が利いていたら、いいかな。