2009年3月26日木曜日

豪華版ワインディナー




ドイツのワインジャーナリストのヘルメットと奥さんのアドリアナがナパ・ヴァレーの取材にやってきた。
娘が帰ってきていたので、親友のランス&サンディ夫妻も招いて楽しいディナー。ヘルメットはラジオでフード&ワインの番組も担当しているそうで、よく食べて、愉快なおしゃべりが続いて退屈しない。
ヘルメットはパルメイヤーが好きだという。2日前に取材したときにオープンしたボトルを持参でやってきた。2日前にオープンしたとは思えないフレッシュさに感動。ピノ・ノワールは「醸造家の才能が感じられない」と私がコメントしたら「オープンしたときと、かなり違っているから、ぜひオープンしたばかりのピノを飲んでみるべきだ」という。
2006年パルメイヤー シャルドネ、ソノマ・コースト
フルーテイで軽やか、ミネラル分が少し感じられる、素敵なシャルドネだった。今までのビッグな厚みのあるタイプから、風味は十分で、それでいて軽やかなタイプに変わっている。ヘルメットは「オープンして2日目、ブルゴーニュの白みたいに変化した」という。
2006年パルメイヤー シャルドネ、ナパ・ヴァレー
口当たりがとってもオイリー。ソノマ・コーストのシャルドネよりもう少しオークが利いている。パルメイヤーの看板だったシャルドネを継いでいるのだけれど、スタイルをキープしながら抑制されたタイプに変化。
これと比較してみようと相棒が2004年のコングスガードのシャルドネ、ザ・ジャッジをオープン。こちらも口当たりがとてもオイリー。白い花と杉の味わいが残る長いフィニッシュが印象的。
前菜の酸味を抑えて小さなホタテのセビチェ〔酢漬け〕とよくマッチ。
料理好きの相棒が1日かけて牛のすね肉を煮込んだ料理は絶品だった。
これにあわせて出てきたワインも絶品。
2001年フォーマンカベルネ・ソーヴィニヨン、
よく熟したブドウが使われたコクのある赤。
2005年パルメイヤー・レッド
涼しい年にも関わらずよく熟したブドウから造られたでかいワイン。酸がバランスを取っていた。厚いグラスを使ったボトルがとても重い。
1992年ローレルグレン
ローレル・グレン特有の墨汁香。フィニッシュがとても長い。まだ若さが残っていて気品が感じられる。素晴らしいワイン。
ずらりと並んだワインと地元の手作りのパンとチーズを楽しむ。まあ、みんな良く食べるわ。
デザートワインは2003年のカトーニ。
運転を担当するというアドリアナに濃い目のミルクティーを作ってあげたら、美味しそうに飲んでくれた。
食べて飲んで笑っての幸せな一夜だった。

2009年3月21日土曜日

焼肉とカリフォルニアワイン




とても楽しい日本ならではのワインメーカーズディナーに参加させていただいた。なんと焼肉とカリフォルニアワイン。とはいってもガーリックががんがん利いた焼肉ではなくて、(それもきっとジンファンデルなんかだと美味しいだろう)主催者いわく「会席スタイルの焼肉」だった。一緒に行ったダックホーン・ワイナリーのピートは「コベビーフ?」と勇んで聞いたら、それと同等かもっと美味しい松坂牛といった。
このディナーは船橋にある備長炭火焼肉 やまとというところで開かれた。
ダックホーンのソーヴィニヨン・ブランに何をあわせるのかしらと興味しんしんだった。ホタテと野菜が出てきた。これはまず間違いなくマッチする。で次に「上たん塩」とメニューにあって、牛タンの真ん中の厚い部分だけを焼いてレモンとコショウでいただいた。フルーティなソーヴィニヨン・ブランとレモンとコショウのソースが良くマッチしたので驚いた。
目の前の炭火で焼きながらワインと共に楽しむというのが、とってもいい感じ。日本ならではのディナー。こういうのが大好きな相棒がうらやましがるだろうなあ。
上ロースとメルロー。わさびソースでどうぞといわれて、うん?肉の油をわさびが消すとマネージャー氏が教えてくれた。試してみた。なるほど。わさびと肉がミックスして上品な味わいが口に広がる。わさびソースはすった生わさびとみじん切りにしたわさびにちょっとオイルを入れて混ぜたもの。メルローにぴったり。
次はカルビとパラダックス。パラダックスはジンファンデルとカベルネをブレンドしたワイン。カルビは伝統的焼肉ソースでいただく。ジンファンデルの果実味とよくマッチ。もちろんソースの甘味はワインに合わせて調整している。
骨付きラムはパラドックスでもメルローでもよくマッチするだろう。とても柔らかいデリケートなラム。
最後はコムタン。こくのあるスープにご飯が浮かんでいる。これも美味しい!
アットホームで、この会に出席された方たちは気さくで、いい雰囲気で会が進行。お隣の女性と向かいの女性が私の肉も焼いてくれる。日本の女性って(ホントは私も日本の女性なんだけど?)優しくって素敵です。
ほのぼの気分で焼肉屋さんを後にした。

2009年3月20日金曜日

江崎信雄氏死去

10日ほど、仕事で日本に行ってた。東京は思ったよりも風が冷たくて寒いので驚いた。帰ってきたら、ソノマは真っ青な空、Tシャツ季節に変わっていた。
昨夜、江崎信雄氏死去のメールが入っていた。先週、名古屋のレストランで開かれたワインメーカーズ・ディナーで江崎氏のお二人の息子さんに再会。お父様の健康状態がかなり悪いというお話をされていたけれど、こんなにすぐに亡くなられると思っていなかったので驚いた。
ミスター・エザキ(私は江崎氏をこう呼ばせていただいていた)は、ワインを発酵、栽培と科学的な面からばかり追いかけている私に「ワインはいろんな角度から楽しみ深めるもの」ということを教えてくださった恩師。そしていろいろな本を送ってくださった。
2冊目の本を出版してお手元にお届けしたいという夢が実現しないうちに、ミスター・江崎は逝ってしまわれた。ご冥福をお祈りします。

2009年3月7日土曜日

気軽に飲めるワイン探し


耳に入るニュースは全て不景気関係。本当に深刻。いつもちょこっと寄る、行きつけのワイン屋さんでも、15ドルを超えるワインを買う人はめっきりと減ったという。それでひとつひとつ丁寧に試飲して、フレンドリー価格で、その価格以上の質があると評価したワインを取り揃えている。
毎週水曜日に1ドル(法律なので徴収しなければならないのだとか)でインポーターがやってきて5,6本のワインを試飲するイベントを開いている。
口コミで最近は店が一杯になるほどやってくる。先週はアルゼンチンのマルベック、今週はスペインのワインだった。手ごろな価格のワインから$50ほどするパーカーワインも飲ませて(試飲)させてくれる。いまだにパーカー氏の評価を鵜呑みにしている方も多く、50ドル前後でパーカーが90点以上をつけたワインは、その夜に即売り切れる。
昨夜は、女友達と赤ワインを1グラスだけ飲もうと立ち寄った。
バーのセクションがあるので、落ち着いて(7時までだけど)飲める。
ボニュー(Bonneau)という地元のワイナリーでソノマカウンティのカベルネが$13.50だった。ナパ・ヴァレーのカベルネのような華やかさはないけれど、軽やかなので食事なしでも美味しく気楽に飲めた。
15ドル前後で質がよく個性のあるワインを探すのは大変。この店は15ドル前後のものだとヨーロッパのワインがダントツに多い。別にヨーロッパワインだけを売ろうとしているのではないけれど、今のところグッドヴァリューのカリフォルニアワインが少ないのが理由。
でもこのワインのように、カリフォルニアのワイナリーでもグッドヴァリューのワインをリリースし始めている。期待したい。
写真のラベルはナパ・ヴァレーのカベルネで、こちらは$35ほどする。ソノマ・カウンティとラベルに書いているのが$13.50

2009年3月1日日曜日

アルコール飲料と癌

先日イギリスで行われた調査結果として、女性がアルコール飲料を摂取すると癌(乳癌を含む)になる率が高いという調査が発表された。それも毎日グラス一杯のワイン(あるいはビールや他のアルコール飲料)を飲んでも癌にかかる率が増えるというもの。
「そうか、乳癌予防にはワインは飲まないほうがいいのか」とこの記事を読んで思った方もいるはず。
でもいろいろと読んでみると、乳癌とアルコール飲料の関係は確かにあるものの、「喫煙と肺がん」ほど確実な関係ではないらしい。それからワインは心臓病の予防にいいという証拠は確実にあるのだという。女性が心臓病に罹る率が高いので、ワインを飲まずに乳癌になるのを防ぐより、ワインを飲んで心臓病を予防するほうがメリットがあるのではないかという声もある。
アルコールはだめ、あれもだめ、これもだめって言っていると公害に汚染されてるから空気を吸うのもだめっていうことになって、それがストレスになって病気になるってこともありうるかも。
適度に運動をして栄養のバランスが取れた美味しいものを腹八分食べて、毎日楽しく、平和に暮らせたら、これがベストだと思うのだけれど、どうかしら?