2008年9月26日金曜日

ヴェジタリアンのレストラン




ナパのダウンタウンにubuntu(ウブンツ)という本格的なヴェジタリアン・レストランがある。金曜日の夜に行ったら、とても混んでいた。若い人から熟年まで客の年齢層は幅がある。ワインリストもとても充実していて、半端じゃない。
料理は野菜をいろいろ取り揃えて、きれいにお皿に盛ればいいと思っていたけれど、ここのシェフはそういうごまかし料理ではなく、一つ一つの材料を吟味して、一皿ずつ、料理法に工夫を凝らしている。だから一皿ごとに口当たり、味に変化をつけてある。でも精進料理ではない。バターやチーズをふんだんに使っている。自家製のモッツラーレチーズは最高だった。チーズは嫌いという女性が美味しいといってパクパクと食べた。ここで作られていると思うもっつらーれチーズはソフトでコクがあってとても美味しい。ヴェジタリアンだから卵、チーズは食べるのだ。

食材の多くはバイオダイナミックスで栽培しているこのレストラン所有の野菜畑から、それ以外は地元で栽培されている野菜を使用。
このレストランの料理を全体に把握しようというので、サマー・ガーデン・メニューとネーミングされてるコースをオーダー。お一人様$85。「嫌いな野菜がありますか?」トマトが大好きが3人、大嫌いが3人。コースの中でトマトが入っている料理は嫌いな人の皿は別の材料を使って出してくれる。サラダ、季節の野菜が、少しずつ盛られて出てくる。メロンをグリルして少し焦がして香りをつけたものが印象に残った。
帰りにハンバーガー店に寄らなきゃね、きっとまだお腹がすいてるよ、なんていっていたのだけれど、コースとコースの待ち時間が長いので、血糖値があがってしまって、コースの最後は、みんんなお腹が一杯になっていた。
ワインは女性のソムリエと相談してオー・ボン・クリマのサンタ・マリア・ヴァレーのピノノワールをオーダーした。チェリーキャンディのきれいな味と程よい酸味が印象的。生の野菜、料理した野菜、どんな野菜にもよくマッチしてくれた。
6種類の皿が出てきただろうか。そろそろフィナーレのメインデッシュが出てくるだろうと待っていた。出されたのは全てがニンジンの一皿。黄色、オレンジ、紫、赤のベビーキャロットが生だったり、ムースだったりして、きれいに盛られている。ニンジンが大好きなので美味しい美味しいと食べていたら、グループの一人が「ニンジンオンパレード。嫌いなニンジンをこんな風にして盛られてくるとは、夢にも思っていなかった」とポツリ。「もしこれをお母さん(奥様のこと)が家で出したら、食うなって言うことか!!ってテーブルをひっくり返す」というので大笑い。
でもシェフ、ジェレミー・フォックスの料理の感性はすばらしいということでみんな同感。肉や魚を使って料理するよりも、もっと工夫が必要だ。ジェレミー・フォックスはサンフランシスコのルビコン(閉店になってしまった)やチャールス・ノブ・ヒルといった有名レストランでシェフをしていた。野菜ひとつひとつがよく吟味されて使われていることがよくわかる。
デザートがとてもいい。ジェレミー・フォックスの妻、デニー・ヒックコックス(ルビコンで働いていたときに知り合った)がペストリーシェフを努めている。ズッキーニとオリーブ・オイルのケーキとバジルコのアイスクリームは絶品。
残念なのはコーヒーがとても苦いことだ。お茶をオーダーしたほうがいいと思う。

2008年9月17日水曜日

ワイン列車




数年ぶりにワイン列車に乗った。前と違っていたのは、ロビーで待っている間に2種類(シャルドネとロゼ)のワインがサービスされて、このワインについての説明があったことだ。ワインの説明をする人というのは、一般的にちょっと取り澄ましているか、優しそう(柔?)で品がいい、あるいは退屈!という感じなのだけれど、この男性は、どちらかというとバーでビールやウイスキーをがぶ飲みしてる、ちょっとハスキーな声の、喧嘩っ早い精悍な印象の若い男性だった。まじめに聞いている人が何人いるのだろうか。そのことを十分に承知しているようで、うまく話をまとめていた。
ラウンジ車に乗り込む。この列車で前菜を、その後、ダイニング車に移動してランチをいただいた。
私たちのグループの男性二人はブラディマリーを、女性はバシオ・ディヴィノ(Bacio Divino)のパッツオ(Pazzo)という赤ワインをオーダー。パッツオとはイタリア語でクレージーという意味だそうで、このワインのブレンドは変わっている。サンジョヴェーゼとカベルネ、それにジンファンデル、メルロー、ヴィオニエが少しずつ加えられている。フルーティで軽やか、飲みやすい。若いうちに飲むと楽しいワイン。この日のランチにぴったり。朝から女性がボトルで赤ワインをオーダーしたので、若い女性のウエイトレスさんは一瞬、意外!という表情をして、ちょっと尊敬してくれた様子。ブラディマリーはコショウとタバスコがものすごくきいていたようで、一人の男性はハンカチを取り出して汗を拭いた。その上、前菜に盛ってあった酢漬けのトウガラシを食べたら、とても辛かったようで、汗が吹き出て湯上りのような真っ赤な顔。笑いながらも、何もそんなに辛いものを出さなくてもと同情。
ダイニング車両に移って席に着く。列車で食べる料理としてはきちんと料理されていて、悪くなかった。スープかサラダ、メインはサーモン、ビーフ、ポークとそれぞれ違うものを注文。ワインはSEAVY のメルローをオーダー。このワインは列車の中では53ドル。フレームワークがきちんとしていて、十分熟したブドウの味わいなのだけれど、過熟ではなく、とてもよく出来たメルローだった。サーモン、ビーフ、ポークのどの皿にもマッチ。
のんびり食べて飲んで、いつもは車で走る道を社窓から眺めて3時間。

2008年9月14日日曜日

熱気球




日本からお客さんがいらして、一緒に熱気球に乗った。初めての経験。素晴らしいの一言。
朝、5時45分にナパのカジュアルレストランに集合。まだ暗い。そして寒い。手続きを終えて、用意されているパン、シリアル、バナナ、コーヒー、紅茶をいただく。でも3-4時間、トイレのないところへ行くので、飲み物は控えた。セーターにジャケットを着てもまだ寒い。日本からのお客様がカイロ?を持ってきていて、1枚下さったので、それを腰の位置に入れたら、とても温かかった。素晴らしいアイデア!この朝は、20人ほど集まっていた。人数が多い日で、2回に分けて飛ぶという。ナパは雲と霧が多く、飛ぶことが出来ないので、内陸の霧がない場所から飛ぶというので、ヴァンで45分ほどかけて移動。内陸は霧がかかっていないというのは本当で、ヴァンの中で居眠りをしていて、ふと外を見るとオレンジ色の朝日が昇りかけていた。ヴァンが5台ほど、先に着いていた。空高く浮いている熱気球は、地面から見るとそれほど大きいものとは思われない。でも実際に見るととても大きい。
準備中の熱気球はぺちゃんこの布の風船?の部分が平地に広げられている。そこへゴーっという音と共にタンクから赤い火を噴出し、熱風を注ぐ。やがて気球が膨らみ始める。十分に膨らむとふわっとう感じで気球が丸くなって浮いた。気球の下についている四角いボックス(籠?)に10人ずつ乗り込む。籠の間かはラッシュアワーの電車みたいに込み合っている。籠から操縦士が熱風を注入するために火をつけた赤いガスの炎が見える。ゴーっという音と共に気球が簡単にするすると上昇した。高さが305mほどまで上昇したときにガスを止めた。とても静かだ。果樹園や川や森や遠くの山が見下ろす。揺れもせず気持ちがいい。高度恐怖症気味の人は下を見ると怖いといっていた。私と友人が下を覗き込んで見るのさえも怖がった。
苗木を育てている農園の畑は四角い絨毯のパッチワークみたいに見える。海岸沿いのブドウ栽培地区を離れているので、ブドウ畑よりもアーモンドや果樹園、牧草地帯が多い。サービス精神たっぷりの50代(に見えた)のパイロットは木の枝に手が届くところまで下降してくれた。この会社から5つの熱気球が飛んだので、他の気球が高くなったり低くなったりしながら飛ぶのが見える。他の会社の模様と色が違う気球も飛んでいた。広大な景色に向こうに気球がぽつんと見えるかと思うと、私たちが乗っている気球の陰が下に見えたり、他の気球が追いついてきてたりする。
1時間ほど乗っただろうか。着陸することになった。着陸時はパイロットのほうを向いて、籠の内部の側面についている手すりにつかまってひざを少し曲げるようにという指示を受けた。そろそろ降りるかなと思っていたら、なんだなんだ着地するはずの茶色の空き地を通り過ぎてトウモロコシ畑のほうへ行ってしまうではないか。着陸をミスったのだ。後ろに来ていた気球は予定地に着陸。私たちの気球は再び上昇して次の着陸地へ向かう。家畜用の牧草を刈り取って地面に干してある牧草地に着陸。衝動は全然なくてやわらかくふわりと地上に着いた。
迎えのヴァンが先に来て待っていた。これから希求に乗る人たちがヴァンから降りて、並んで待っている。一度に全員降りると気球が浮いてしまうので、2人降りて2人乗るというのを繰り返して乗客10人の交代が終了。ふわっと空に向って上昇していった。私たちはヴァンに乗ってナパの集合地まで帰った。朝の9時。ナパに近づくと霧がかかっていて太陽が見えない。用意されていた朝食、いり卵、ソーセージ、ベーコン、パンケーキ、スイカとメロン、コーヒー。紅茶、オレンジジュース、シャンパンをいただく。今朝は4時起きだったからお腹がすいていた。地元に住んでいると、わざわざ早起きして熱気球に乗ろうなんて考えないから、今回、お客さんと一緒に熱気球を体験できて楽しかった。乗っている時間より、待ち時間と移動時間のほうが長いのが、ちょっと難。お昼ころになると真っ青な空と強い日差しが照りつけた。小1時間で、これほど天気が違うのだということを実感。

2008年9月12日金曜日

ハーベスト



私がサンタ・バーバラ・ワインカントリーへ行っていたとき、ソノマ、ナパはすごい暑さだったという。春先の霜のあと、気温は安定していた.昨年の冬の降雨量が少なかったことから、房の数が少ない畑もあるけれど、順調に成長していた。それが突然の猛暑に襲われて、ブドウの糖度が急に上昇。あまり暑いとブドウが干からびてレーズンみたいになってしまうし、糖度が高くなりすぎるとワインにしたときに味に影響を与える。というわけで、ブドウを摘み取る作業を急ぐことになる。
サンタ・バーバラから帰ってきたら、近所のブドウ畑のピノ・ノワールとシラーの房が消えていた。摘み取り作業が終わったのだ。
昨日辺りから、朝は霧がかかり、正午に太陽が顔を出す気候パターンに戻り、気温も例年通りになっている。日差しはまだ強いけれど、木陰に入ると、ほんの少しひんやりとした風が秋が近づいてきたことを感じさせてくれる。
カベルネ・ソーヴィニヨンは遅くに熟するブドウなので、よほどの暖かい地区以外は、まだ待っている。例えばローレル・グレンは比較的涼しい山の中腹にあるので、糖度が急激に上昇したけれど、まだ摘む時期にはなっていない。それでも予測したより早まりそうだという。
この40度近い温度の中、ブドウの収穫をするのは大変だ。セントラル・ヴァレーでブドウではなくて他の果物を収穫していた17歳の妊婦が熱射病で急死した。畑で作業する労働者を保護する法律があるのだけれど、それが守られていなかったのだ。この女性の他にも畑作業をする労働者が熱射病で死亡した例があることから、政府はこの法律を徹底させるために畑仕事の作業員の労働環境をチェックし始めている。
だからブドウ畑の収穫が始めるとピッカーたちの車、そして日よけ用のテントが張られているのが見られる。脱水症状を起こす前に水分を十分に供給すること、息切れやめまいを感じたら、すぐにテントで休養すること等、作業員の認識を徹底させる等の対策を強化している。この法律に違反すると、使用者は罰金を徴収される。
道路は積んだブドウを載せたトラックがゆっくりと走っている。その後ろに追い越しをかけられない車がぞろぞろと行列を作る。
カリフォルニアのワインカントリーはハーベスト真っ最中。

2008年9月10日水曜日

サンタ・バーバラ・ワインカントリーその2



ベージュ色の小高い山と砂地が続く、サンタ・マリア・ヴァレー。潅水設備がなければ何も栽培することが出来ない土地。この土地にオーボン・クリマとキューペがある。有名ブドウ栽培農場、ビエン・ナシドのブドウ畑の中を通過して、倉庫のような建物の前に着く。午前11時30分。発酵タンクやプレスが建物の横の広場に並んでいることから、ワイナリーだなと想像する。
ここでいつものようにジム・クレンデネン氏がせっせと料理をしていた。彼の料理は半端じゃない。毎日、ピクニック・テーブルにビニールのテーブルクロスをかけたテーブルをカジュアルランチに招かれたゲストが囲む。そして彼のワイン、招かれた客が持参したワイン等がずらりと並ぶ。
今日のメニューはシーザーサラダ(アンチョビを使ったドレッシングは本格的)、彼が育てたトマトとモッツレーラチーズのサラダ(トマトは豊作なようで、脇の棚にどっさりと置いてあった)グリルしたビーフの薄切り、キーシ。お腹が一杯になったので私はスキップしたけれど、デザートも用意してあった。この日は全部で20人がランチを楽しんでいた。
同じ建物でワインを造っているキューぺのボブもやってきた。
2006年のイザベル、2004年ヒルデガード、2007年クレンデネン・ファミリーのギヴェルツトラミーナ。ヒルデガードはアリゴテ、ピノ・グリ、ピノ・ブランをブレンドしたユニークな白ワインだ。ミネラル、アーモンドほど良い酸味がする、力強い白ワインだ。ジムのお嬢さんの名前をつけたイザベルはフルーティで、お嬢さんのように若々しくてきれいなワインだ。キューぺ(Qupe)の2007年ビエン・ナシド・クヴェ(Bien Nacido Cuvee)と名づけた白ワインは香り豊かで酸味が程よく素敵なワインだった。ヴィオニエ(67%)とシャルドネ(33%)のブレンドだという。
今年で3年目になるというインターンみたいな男性がいた。ロスアンゼルスのSONAというレストランのソムリエだそうで、ただハーベストをで手伝っている(修業している)という。自分のラベルでもワインを造っている。LA FENETRE(窓というフランス語)というラベルだそうだ。2008年は3000ケース造ったというから、結構の数量だ。シャルドネ、ピノ・ノワール、シラー、カベルネを造っているとのこと。奥様は日本人だといっていた。じゃあと写真を撮ったら、「うまく撮れたかい?」と聞くところがアメリカ人じゃなくて、フランス人かな。
今年の春先の霜による害はミニマムだそうで、収穫量は十分とジムが言っていた。

2008年9月8日月曜日

サンタ・バーバラ・ワインカントリー その1



 仕事でサンタ・バーバラのワインカントリーへ行ってきた。そう映画「サイドウエイ」の舞台となったワイン産地だ。で、ピノ・ノワールブームを巻き起こした。この地区はピノ・ノワール、シャルドネ、そしてシラーが有望だと私は思っている。もちろん、良質のソーヴィニヨン・ブランやピノ・グリや、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンといったワインも造られているけれど、数から言ったら、やはり上に書いた3種類だと思う。
ワインの質のレベルが全体に大きく上がっていた。プレミアムワイナリーは各ワイナリーのスタイルを確立し始めている。
海からの影響を強く受けるので、早い時期に熟するブドウが主なのだけれど、それでも収穫が、ようやく始まったという時期だった。ナパやソノマのもう少し温暖な栽培地区では、早熟品種の収穫は始まっている。
まだまだサイドウエイの影響が残っている。映画のシーンでアメリカインディアン風の衣装を来た男性がバラックみたいなテイスティングルームでワインを注いでくれたら主人公のマイルズはワインお宅そのものといった感じで香りを嗅いで、あれこれ薀蓄を述べているときに、彼の友人(売れない俳優)がガムを噛みながらワインをごくりと飲み込んだシーンがあった。そのシーンでテイスティングに使われたのが、昔のサンフォード、今のアルマ・ロサ・ワイナリー(Alma Rosa)だ。アメリカインディアンの衣装を着た人物が、実際にそこで働いているのだ。ずうっと昔、ここへテイスティングに来たことがある。服装が独特だったこととあばら家風のテイスティングルームだったことからよく覚えている。
今も、その男性は(クリスという名前)このテイスティングルームで働いている。ちょっと垢抜けた感じ。「サイドウエイの映画ヒット以来、いろんなマスコミがあなたの写真を撮りにやってきたでしょう?」と聞いたら、「イエス」、「私も写真を撮ってももいい?」「もちろん」というわけで、なれた感じでカメラに収まってくれた。
ワインのほうはピノ・グリが良かった。どのワインもエレガント(繊細)で辛口。大人の味のワインだった。約束の時間に30分遅れて駆けつけたら、待っていてくれた素敵な女性キャロリンがここでは遅れてくることはちっともいけないことじゃないのよとリラックスした態度でいう。こういう自然体でワインにかかわる人たちが減ってきているので、ほっとしたと同時に昔のナパやソノマを懐かしく思い出した。

2008年9月5日金曜日

恒例の集まり



12年前に東京へ行ったワイナリーのグループが、いまだに年に一度集まって、ディナーを共にする。
こういう例はとても珍しいのだけれど、一緒に旅をしたワイナリーのメンバーはとても気があうのだ。ロイヤルパークホテルで開催された100人を超える参加者が集まってのワインメーカーズディナーがいい思い出になっているのだ。参加メンバーはカレラ(Calera)のジョシュ、スポッツウッド(Spottswood)のベス&ジョン、ノール(Nalle)のダグ&リー、それに相棒と娘と私。
みんな日本食が大好き。毎年持ち回りで各家に集まってディナーをするのだけれど、必ずスシを前菜に会食が始まる。
今年はノールのダグとリーの家で開かれた。収穫が明日から始まるという夜なので、10時に食事を終えた。今年のブドウの出来については、「素晴らしい年だ」という声は聞かれない。「悪くない。今のところいいようだ」という声
春先の霜で収穫量が減ったワイナリーも少なくない。例えばカレラは収穫量が例年の半分ほどになってしまったという。
このところ猛暑が続いている。4時に集合。まだ暑いからというのでロシアンリヴァーの川岸でお寿司とシャンパンで乾杯。スポッツウッドが従業員用に作っているというロゼ(レイク・カウンタィのグルナッシュとパソロブレスのシラーのブレンド)の冷えたのを飲む。12年前は子供がいなかったベスとジョンは今9歳と6歳の男の子がいる。家族4人、勇んで川に入ったけれど水がとても冷たくて、子供と犬以外は震え上がって川岸へ戻る。
5時ころにダグのトラックの荷台に腰掛けて(10分ほどしかかからない)、ダグの家に戻った。彼たちの家のテラスから見えるのは見渡す限りブドウ畑だ。ちょうど夕日がブドウ畑の向こうの山に沈み始めた。素晴らしい。「12月になると、この先に夕日が落ちるんだよ」とちょうどテラスの真ん中にあたる畝を指をさす。リーが「朝、コーヒーを飲みながらの見るブドウ畑もいいわよ」とリー。そうだろうなあ。
今夜のメニューはリーがこの朝ヒールズバーグの朝市に行って仕入れてきた新鮮な野菜、サーモン、それからダグの息子が買ってきたコーベビーフ。
ジョシュがスポッツウッドの秘密のワインを見つけたといって、笑いながらテーブルに並べたワインはスパイスウッディ(Spicewoody)というテキサスのワイン。ソーヴィニヨン・ブランをオープン。シャープな酸味が主な味という白ワイン。相棒が「これは胃薬がいる」というとみんな同感。スパイスウッドのワインは即、消えた。ジョシュのジョークだ。
1990年のセレックのマグナムをオープン。スパイシーでまだ若々しい。気品さえ感じる。ダグが1990年のマグナムのキヴェラのジンファンデルをオープン。彼が最後に醸造責任者として造ったワインだ。ジンファンデルらしいベリー、そそして急激に酸化していった。2004年のノールのシャルドネとジンファンデルもオープン。オークが抑えられたきりっとして素晴らしいシャルドネ。2004年のジンファンデルはダグが造ったジンファンデルではベストかな。フルーティでボディもあって美味しかった。
10時近くになって、夜空は星が一杯。今年も楽しい集まりだった。いつもの合言葉は「また一緒に日本に行きたいね」。ジョシュはその後数度日本に行っている。ノールもその後一度行ったけれど、ベスは子供が小さくて行けなかった。彼女は本当に行きたそうだ。

2008年9月1日月曜日

Murphy's Irish Pub



ソノマのプラザに面する映画館「セバスチアーニ」の横の石畳の小路を入っていくと小さなアイリッシュ・パブがある。ローカルが集まる場所だ。
毎週金曜日にブルーグラスの生演奏がある。私の女友人の一人、ジェニーが1ヶ月に一度ほど、ここへ来て演奏する。男性二人とジェニーで作っているバンドだ。ジェニーは病院の化学分析を担当する科学者だけれど、ピアノ、ギター、ドラムを演奏するし、そして歌う。
私と圭子さんとアンドリアは自称グルーピー(追っかけ?)で、彼女のバンドがマーフィーにやってくると必ず一番前の席を取って聴き入る。この夜はメンバーの一人が急用で来られなくなったので、二人だけで演奏。
アイリッシュ・ビールがたくさんリストに載っている。パブなのだからビールを飲みながら演奏にを楽しむ人がほとんど。でも私はワイン、圭子さんはアイリッシュコーヒー、アンドリアはオンザロックのウイスキーを飲む。
ワインカントリーのパブなので、地元、ソノマ・ヴァレーのワインもリストにきちんと載っているのだけれど、一人でボトルをオーダーしても飲みきれないから、グラスで飲むことになる。たいがい、バイザグラスのリストから白ならBenzigerのソーヴィニヨン・ブラン、赤ならClineのピノ・ノワールをオーダーする。Benzigerのソーヴィニヨン・ブランは最近スタイルがちょっと変わって 前よりも軽やかで酸味の利いたタイプになっている。Clineのピノ・ノワールは、ピノ・ノワールらしいチェリーの味わいがちょっとだけあって、悪くないなという感じでちょびちょびと飲む。
この夜は、グラスで3杯飲んだ。アンドリアもウイスキーを3杯。後でメールが入った。「エミコはワインだからいいけれど、ウイスキー3倍の私は二日酔いだわ」
知ってるミュージシャンの演奏を聴き行くのは、とっても楽しい。