2008年9月5日金曜日

恒例の集まり



12年前に東京へ行ったワイナリーのグループが、いまだに年に一度集まって、ディナーを共にする。
こういう例はとても珍しいのだけれど、一緒に旅をしたワイナリーのメンバーはとても気があうのだ。ロイヤルパークホテルで開催された100人を超える参加者が集まってのワインメーカーズディナーがいい思い出になっているのだ。参加メンバーはカレラ(Calera)のジョシュ、スポッツウッド(Spottswood)のベス&ジョン、ノール(Nalle)のダグ&リー、それに相棒と娘と私。
みんな日本食が大好き。毎年持ち回りで各家に集まってディナーをするのだけれど、必ずスシを前菜に会食が始まる。
今年はノールのダグとリーの家で開かれた。収穫が明日から始まるという夜なので、10時に食事を終えた。今年のブドウの出来については、「素晴らしい年だ」という声は聞かれない。「悪くない。今のところいいようだ」という声
春先の霜で収穫量が減ったワイナリーも少なくない。例えばカレラは収穫量が例年の半分ほどになってしまったという。
このところ猛暑が続いている。4時に集合。まだ暑いからというのでロシアンリヴァーの川岸でお寿司とシャンパンで乾杯。スポッツウッドが従業員用に作っているというロゼ(レイク・カウンタィのグルナッシュとパソロブレスのシラーのブレンド)の冷えたのを飲む。12年前は子供がいなかったベスとジョンは今9歳と6歳の男の子がいる。家族4人、勇んで川に入ったけれど水がとても冷たくて、子供と犬以外は震え上がって川岸へ戻る。
5時ころにダグのトラックの荷台に腰掛けて(10分ほどしかかからない)、ダグの家に戻った。彼たちの家のテラスから見えるのは見渡す限りブドウ畑だ。ちょうど夕日がブドウ畑の向こうの山に沈み始めた。素晴らしい。「12月になると、この先に夕日が落ちるんだよ」とちょうどテラスの真ん中にあたる畝を指をさす。リーが「朝、コーヒーを飲みながらの見るブドウ畑もいいわよ」とリー。そうだろうなあ。
今夜のメニューはリーがこの朝ヒールズバーグの朝市に行って仕入れてきた新鮮な野菜、サーモン、それからダグの息子が買ってきたコーベビーフ。
ジョシュがスポッツウッドの秘密のワインを見つけたといって、笑いながらテーブルに並べたワインはスパイスウッディ(Spicewoody)というテキサスのワイン。ソーヴィニヨン・ブランをオープン。シャープな酸味が主な味という白ワイン。相棒が「これは胃薬がいる」というとみんな同感。スパイスウッドのワインは即、消えた。ジョシュのジョークだ。
1990年のセレックのマグナムをオープン。スパイシーでまだ若々しい。気品さえ感じる。ダグが1990年のマグナムのキヴェラのジンファンデルをオープン。彼が最後に醸造責任者として造ったワインだ。ジンファンデルらしいベリー、そそして急激に酸化していった。2004年のノールのシャルドネとジンファンデルもオープン。オークが抑えられたきりっとして素晴らしいシャルドネ。2004年のジンファンデルはダグが造ったジンファンデルではベストかな。フルーティでボディもあって美味しかった。
10時近くになって、夜空は星が一杯。今年も楽しい集まりだった。いつもの合言葉は「また一緒に日本に行きたいね」。ジョシュはその後数度日本に行っている。ノールもその後一度行ったけれど、ベスは子供が小さくて行けなかった。彼女は本当に行きたそうだ。

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