2008年9月12日金曜日

ハーベスト



私がサンタ・バーバラ・ワインカントリーへ行っていたとき、ソノマ、ナパはすごい暑さだったという。春先の霜のあと、気温は安定していた.昨年の冬の降雨量が少なかったことから、房の数が少ない畑もあるけれど、順調に成長していた。それが突然の猛暑に襲われて、ブドウの糖度が急に上昇。あまり暑いとブドウが干からびてレーズンみたいになってしまうし、糖度が高くなりすぎるとワインにしたときに味に影響を与える。というわけで、ブドウを摘み取る作業を急ぐことになる。
サンタ・バーバラから帰ってきたら、近所のブドウ畑のピノ・ノワールとシラーの房が消えていた。摘み取り作業が終わったのだ。
昨日辺りから、朝は霧がかかり、正午に太陽が顔を出す気候パターンに戻り、気温も例年通りになっている。日差しはまだ強いけれど、木陰に入ると、ほんの少しひんやりとした風が秋が近づいてきたことを感じさせてくれる。
カベルネ・ソーヴィニヨンは遅くに熟するブドウなので、よほどの暖かい地区以外は、まだ待っている。例えばローレル・グレンは比較的涼しい山の中腹にあるので、糖度が急激に上昇したけれど、まだ摘む時期にはなっていない。それでも予測したより早まりそうだという。
この40度近い温度の中、ブドウの収穫をするのは大変だ。セントラル・ヴァレーでブドウではなくて他の果物を収穫していた17歳の妊婦が熱射病で急死した。畑で作業する労働者を保護する法律があるのだけれど、それが守られていなかったのだ。この女性の他にも畑作業をする労働者が熱射病で死亡した例があることから、政府はこの法律を徹底させるために畑仕事の作業員の労働環境をチェックし始めている。
だからブドウ畑の収穫が始めるとピッカーたちの車、そして日よけ用のテントが張られているのが見られる。脱水症状を起こす前に水分を十分に供給すること、息切れやめまいを感じたら、すぐにテントで休養すること等、作業員の認識を徹底させる等の対策を強化している。この法律に違反すると、使用者は罰金を徴収される。
道路は積んだブドウを載せたトラックがゆっくりと走っている。その後ろに追い越しをかけられない車がぞろぞろと行列を作る。
カリフォルニアのワインカントリーはハーベスト真っ最中。

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